植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2014年12月07日

外貨建資産が増加(台湾)

 

前回のブログで、国内生保の外貨建資産ウエートが
20%に達したと書きました。

ところが、台湾生保の海外投資はそんなレベルではなく、
一般勘定資産の43%を占めています(2013年末)。
2001年には12%だったそうですから、大きな変化です。

外貨建ての保険が多いのかと尋ねてみると、そうでもなく、
責任準備金の大半は自国通貨建てとのことでした。

台湾の生保も長引く低金利に悩まされています。
10年国債利回りが2008年以降、1%台で推移する一方、
ある資料によると、平均予定利率は4%近い水準です。

しかも、台湾には十分な超長期債市場は存在しません。
また、多額の危険差益を得られる環境でもなさそうです。

そこで、当局は海外投資等に対する各種規制を徐々に緩め、
結果として、今のような資産構成となったと考えられます。

某大手では一定規模の為替ヘッジを行っているようでしたが、
業界全体としては、「各社が為替変動準備金を積んでいる」
(当局=金融監督委員会が2012年に導入したもの)
という声を何度も耳にしました。

ところが、ある記事を見ると、地元格付会社のコメントとして、
「準備金残高は海外投資の0.5%未満しかない」
「準備金を積極的に積もうという動きは見られない」
とありました。TAIPEI TIMESへ

低金利で金利リスク(ALMリスク)が顕在化しているなかで、
毎期の会計上の損益を確保するため外貨建資産に傾斜し、
為替リスクを増やしているという姿が浮かび上がります。


台湾では2009年のKuo Hua Lifeに続き、今年8月には2つの生保
(Global Life、Singfor Life)が当局の管理下に置かれました。
他にも当局の健全性基準を下回っている会社が複数あるようです。

ただ、日本の破綻処理制度とは違い、台湾では保険契約者が
100%保護されており、公的資金を使う枠組みとなっています。
Kuo Hua Lifeの処理コストは約3000億円と言われています。

充実したセーフティネットは破綻生保の契約者には福音です。
しかし、経営者のモラルハザードを高めることにもなりかねず、
制度設計の難しさを感じました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします

※かつて階段の上には神社があったそうです。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

コメント一覧

今、リスク管理を考える  (2014年12月08日 20:13:39)

ALMといえば金利リスクのコントロールのこと、ALMリスクといえば金利リスクを意味するかのように言われますが、負債と同じ通貨の資産に投資するのもALMであり、負債と異なる通貨の資産に投資することによる為替リスクもALMリスクというべきですね。

コメントをする

コメント投稿には専用IDでのログインが必要になります。
IDは筆者と面識のある方や、お仕事でのやりとりがある方にのみ発行しておりますので、投稿希望の方はお問い合わせページよりご連絡ください。

ログインしていない方はコメントをされる前に必ずログインをしてください。
ログイン画面

植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ