植村信保のブログ

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2017年10月09日

ナチスの手口と緊急事態条項

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「ナチスの手口と緊急事態条項」という
本を出張中に読みました。

この本では、憲法学者の長谷部恭男さん、
ドイツ近現代史が専門の石田勇治さんが
対談を通じて、ヒトラーがどのようにして
ワイマール憲法を無効化し、独裁体制を
築いていったのかを解き明かしています。

本書によると、立憲主義的な民主体制を
壊さないように備えた仕掛けだったはずの
大統領緊急措置権(=緊急事態条項)が、
体制そのものを壊す道具として利用された
というのが歴史的事実のようです。

1930年頃のドイツでは、世界恐慌の影響で
社会不安が高まるなか、政党間の対立が
激しくなり、国会での合意を形成するのが
難しくなっていきます。

そこで政府は規定にあった大統領緊急令に
頼るようになります。
国会は形骸化し、既存政党に対する国民の
信認が低下する一方、ナチス(と共産党)が
台頭することになりました。

「ヒトラーは民主主義で大衆に選ばれた」
「ヒトラーは合法的に独裁体制を樹立した」

というのも、しばしば耳にする言説ですが、
これらもナチのプロパガンダ(情報宣伝)
を引きずったもののようです。


本書はワイマール共和国の経験だけでなく、
各国(ドイツ、フランス、米国)に現存している
緊急事態条項の内容や設置の経緯なども
紹介しています。

選挙の結果次第ではありますが、少なくとも
公示前の時点では、なんと8割超が改憲に
前向きな勢力となっていますので、本書で
事実を確認しておくのは有意義かと思います。


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※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※化野念仏寺の近くに素敵な町並みがありました。

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| post at 15:51:00 | コメント(0)  | カテゴリー : 14. 書評 |
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