植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2014年07月20日

「日銀、『出口』なし!」

 

日銀ウォッチャー加藤出さんの近著です。
副題は「異次元緩和の次に来る危機」。

日本銀行が現在行っている量的質的緩和策は、
終わるに終われない状況に陥るのではないか。
これを「ホテルカリフォルニア化」と言うのだそうです。

日銀は出口政策についての議論を封印していますし、
筆者によると、国債市場の多くのプレーヤーは、
「インフレ率は日銀が言うペースでは上昇しない」
と思っているなかで、出口論は早いのかもしれません。

しかし、そもそも異次元緩和策は時間稼ぎ策であって、
どこかで終わらせなければなりません。
財政危機と通貨の信認凋落を招かないためにも。

加藤さんは、日本の国債市場の自律的な機能は
日銀の買いオペによってかなり失われており、実態は
国債直接引き受けに限りなく近くなっていると述べています。

そして現在、多くの国債市場関係者は、

「インフレ予想が上がって国債の金利が急騰を始めたら、
 日銀は今以上の巨大な規模で国債を買い支えるに違いない」

と予想し始めているそうです。
これでは、日銀が本来、出口政策に向かうべき時に、
さらに大規模な金融緩和策を行うということになってしまいます。

アベノミクスがモデルにしたという高橋是清の政策。
出口政策として日銀国債引き受けの縮小と軍事費削減を
打ち出した高橋是清は、2・26事件で殺されてしまいました。
その後、財政の拡張に歯止めがかからなくなります。

本書を読んで、改めて出口政策の難しさを感じました。



※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※山下公園の前でワッショイワッショイ。
 市内各地からお神輿が集まっていたようです。


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| post at 22:55:10 | コメント(1)  | カテゴリー : 14. 書評 |
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