植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2013年05月13日

杜の都の食べ歩き・街歩き

 

週末にかけて、石巻、仙台、福島への出張がありました。
堅い話はあとで書くとして、宿泊した仙台国際ホテルでのこと。

旅先の夕食は楽しみな半面、面倒でもありますよね。
この日もどうしようかと悩んでいるとき、ふと目についたのが、
デスクにあった「杜の都の食べ歩き・街歩き」という本。

よく部屋に置いてある広告ばかりのガイドブックではなく、
グルメの総支配人によるレストランガイドだったので、びっくり。
ミシュランの星がつくような高級店からカジュアルな居酒屋まで、
すべて総支配人が自ら足を運んだおすすめの店なのです。

熟読(?)の末、これはと思った店にいくつか電話してみたところ、
週末の夜ということもあり、あいにく予約はできませんでした。

ただ、そこでふと思いつきました。
レストランガイドを書くような支配人の経営するホテルであれば、
そこで提供される食事もおいしいはず、と。

ガイドブックには館内レストランの案内もありました。
1Fに「デリカショップ」があるというので、ここリゾットと総菜、
それにワインを買い、部屋で一杯やることにしたのですが、
これが大変おいしかった。デパ地下のテイクアウトとは違いました。

翌日の朝食も大満足でした。
バイキングなのは他のホテルと同じですが、宮城のコメを
おいしく食べられるような「ご飯の友」がずらりと並んでいました。
朝から一人でニコニコしていた私は、変な人に見えたでしょうね^^

あとで調べてみると、この総支配人・野口育男さんは、
経営が傾いた当ホテルを再建するため、東武グループから
2007年に送り込まれたのだそうです。

ある記事によると「(当時は)殿様商売が染みついていた」とのこと。
食事面だけではなく、今はかなり変わったのではないでしょうか。
仙台に行く機会があれば、また泊まってみたいホテルです。


※いつものように個人的なコメントとということでお願いします。

※この本の売り上げは全額寄付されるそうです。



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2013年05月06日

神経経済学/利益調整研究



GW読書の第二弾です。

最初の「神経経済学」のほうは、「脳の中の経済学」
という新書を読みました。

行動経済学と脳神経科学のコラボで誕生した分野だそうで、
経済行動を生む脳の仕組みについて、経済学と脳神経科学の
両面から解き明かそうというものです。

確かに自然科学とは違い、経済学は人間の行動に
関わるものなので、脳の仕組みと関係があるはずですね。

まあ、なんのこっちゃと思われたかたは、本書をご覧下さい。
読みやすい本でした。


もう一つの「利益調整研究」は書籍を読んだのではなく、
今回(5月)の証券アナリストジャーナルの特集です。

ここで言う「利益調整」とは、

「何らかの特定の目的を達成するために、経営者によって
行われる、会計数値を対象とした裁量行動」

のことで、実証会計学の世界では一大研究領域なのだそうです。

経営者が行う利益調整の方法には、会計的裁量行動と
実体的裁量行動があり、前者は会計上の見積もりや変更など
キャッシュフローの変動を伴わない会計上の操作、
後者は実際の経営活動を変更して利益を動かす方法です。

さらに、損益計算書で計上される位置を動かして
特定の利益を調整する「分類的操作」もあります。
例えば、ある費用を裁量的に特別損益に計上すれば、
経常利益がその分かさ上げされますよね。

こちらの研究も経営者の行動に関するものであり、
アナリストとして掲載論文を興味深く読みました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は謎の暗号?・・・わかりますよね^^


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2013年05月03日

「金融機関のガバナンス」



金融庁出身で、現在は東京大学公共政策大学院の
客員教授を務めている天谷知子さんの近著です。

欧米の金融機関に関する各種の調査報告書や
金融庁の検査事例集等から失敗事例を紹介しつつ、
金融機関のガバナンスについて語った本です。

私の著書「経営なき破綻 平成生保危機の真実」に
通じるところもあって、興味深く拝読しました。

本書ではベアリングズの破綻やサブプライム問題
(ワシントン・ミューチュアルやRBS、UBSの失敗)、
JPモルガン「ロンドンの鯨」事件などを題材に、
金融機関のガバナンス問題について考察しています。

キーワードとして登場するのが「コンプライアンス化」
「数値の自己目的化」「性弱説」「集団的思考」などです。
関係者には思い当たることばかりではないでしょうか。


ところで、2年半とはいえ私も行政経験があるためか、
本書で最も印象に残ったのは、天谷さんが本文ではなく、
「おわりに」で触れている「規制・監督とガバナンス」でした。

「金融機関のガバナンスが機能していなければ
 規制・監督はザルと化し、一方、規制・監督によって
 ガバナンスを機能させようとしても、本当に問題を
 抱えている部分にはなかなか届かないという現実」

自己規律や市場規律には頼れない、さりとて、
自分で自分をコントロールできない金融機関に対しては、
いくら厳しい規制があっても意味をなさないわけです。

となると、あとは規制・監督が金融機関のガバナンスを
向上させる必要があるのですが、果たしてそれが可能かどうか。

チェックリストを守らせることはできるでしょう。
しかし、実際にガバナンスが機能しているかどうかは別の話です。
それ以前に、そもそも機能しているかどうかを見極めるのは
そう簡単ではありません。

この点については、私もいろいろと考えさせられたので、
そうだよなあと思いつつ、なかなか回答を見出せないでいます。

確かに、「踏切事故をなくすには踏切をなくせばいい」
のはわかるのですが、本書にもあるとおり、そもそも金融機関は
リスクを扱うことを商売としています。保険会社も同じです。

ボルカ―・ルールのように、踏切をなくしてしまうのが
金融機関のガバナンス問題を解決するうえで妥当なのか、
このあたりは私もさらに考えてみたいです。

もっとも、日本の場合、「専門人材の育成と活用」
「官民交流の一層の充実」などが、まずは取り組むべき課題かも。
本質的には「いたちごっこ」なのは承知のうえで。




※いつもの通り、個人的なコメントということでお願いします。

※写真はどこかの中央官庁みたいですが、
 実は築地市場の事務所です。

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