
2010年01月24日
前回に続き、保険関連書籍のコメント。
「生命保険のカラクリ」は昨年10月に出た話題の本です。
ようやく読むことができました。

著者はライフネット生命保険の岩瀬大輔副社長です。
そう思って読んでも、自社の宣伝色はほとんどなく、
第三者の視点で生保業界や商品について書いてあります。
「一般人による一般人のための『生命保険入門』」とのことですが、
出口治明さんの「生命保険入門」(新版はまだ読めていません m(_ _)m )
とはまたテイストの違う本で、楽しく読めました。
世界の生保市場の収益力比較(日本が突出して高い)や
生命表の分析(「高い死亡率の設定で守られすぎ」)など、
きちんとデータの裏付けがあり、納得できる記述になっています。
岩瀬さんはコンサルティング会社出身ですものね。
価格に関する記述も多く見られます。
「(生命保険は)適正な価格がわかりにくい」
「売り手と買い手との大きな情報格差を活用して販売しようとする、
業界の体質が変わっていない」
「商品の比較情報に対していまだに強い心理的抵抗がある」
などの指摘は、まさに私も同感です。
一般の人にはもしかしたら難しいところもあるかもしれませんが、
日本の生保業界を知るには大変参考になりそうです。
2010年01月21日
アクチュアリーの坂本嘉輝さん(アカラックス代表)が
「生命保険『入って得する人、損する人』」という本を出版しました。
一般の人に向けた新書ということもあり、大変わかりやすく、
一気に読むことができました。

保険数理に通じている坂本さんならではの解説も多く
(しかも、そのあたりを感じさせないところがすごいです)、
生命保険に関心のある一般のかたの参考になる本です。
いろいろ気になるフレーズが出てきます。例えば、
「生命保険に入らなければならない」というのは迷信
「生命保険は助け合い」ではありません
などという業界人とは思えない(?)ものもありますし
(私はその通りだと思いますが...)、
「医療保険というのは(中略)気軽に入りますが、保険金をもらうときの
手続きが面倒くさいということには、あまり気がつきません」
といった、現場を知る坂本さんならではの記述もあります。
ライフネット生命の出口治明社長と保険代理店KENさんとの
「保険料が安い」がテーマの論争(?)も面白いです。
私は私で意見を持っているのですが、ここで参戦すると
大変なことになりそうなので(笑)、別の機会にとさせていただきます。
cf. 「保険会社は儲けすぎてはいない」の理由として
売上総利益率や営業利益率を事業会社と比べるのは、
「売上高 イコール 収入保険料」のところが
ちょっと無理があるかもしれませんね。
植村信保(Uemura Nobuyasu)。
保険アナリストとして、主に生命保険会社や損害保険会社の経営分析を行っています。
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