植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2009年05月17日

「なぜ世界は不況に陥ったのか」




これも主に連休中に読みました。
慶応大学の池尾先生と上武大学の池田先生の対談という形で
今回の金融危機について議論が進められています。

対談形式がこれほどわかりやすいとは新たな発見でした。
池尾先生はかなり高度な話をしているのですが、
池田さんがメディア出身のためか、どんどん読み進めていくことができました
(なかには議論がかみ合っていないところもありますが...)。

私が印象に残ったのは、次のような話でした。

「適正価格が見いだせないという問題が(米金融危機の)本質」
「グローバルモデレーション(大平穏)とグローバルインバランスの急拡大」
「短期的な症状を緩和する政策/中期的に制度を立て直す政策」
「結局、1980年代に直面した問題と基本的に同じような問題に再び直面」


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2009年05月07日

「巨大銀行の消滅」

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GW中に読んだ本です。
副題は「長銀『最後の頭取』10年目の証言」。

本書は日本長期信用銀行(長銀)がなぜ破綻に至ったのか、
その原因や経緯についての当事者からの報告です。
いろいろ感想はあるかと思いますが、当事者による証言は
やはり貴重なものです。

私が最も印象に残ったのは、次のところです。
「結果論だが、長銀にとっては、このとき(1980年代半ば)が、
 『名誉ある合併』の好機だったのだろう。
 しかし、長銀の自尊心はその発想すら奪っていた。」

1980年代半ばといえば、長信銀制度の存立意義が失われ、
収益も低迷していた時期です。
その後長銀は不動産関連融資で資産規模を拡大し、
バブル崩壊による不良債権問題に苦しむことになります。

筆者はSBCとの「不平等条約」締結について、
「視点を変えて問題提起するという取締役の役割を果たし得なかった」
「担当セクションの判断を尊重する縦割りの思考に、私自身、
 どっぷりと浸かっていたことが悔やまれる」
と述べています。
これは当時の長銀だけではなく、今日的な教訓だと思います。

それにしても、長銀破綻で行政(大蔵省)の果たした役割は
中堅生保の破綻事例以上に大きかったように感じました。


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