
2009年06月18日

17日の日経と朝日に掲載された日本興亜損保に関する記事です。
「保険金部門の担当役員が2月の会議で、保険金の支払い先送りを
示唆するとも受け止められる発言をしていたことがわかった」(日経)
「役員が09年3月期決算で収益をかさ上げするため、社内会議で
保険金支払いの決算への計上を遅らせるよう指示した疑い」(朝日)
これに対し、兵頭誠社長は18日の会見で(第三者委員会の調査を踏まえ)
「経営が関与した事実はない」と否定しています。
保険金支払いを意図的に遅らせるのは違法行為でしょう。
でも、年度内に発生した事故の支払いが翌年度にずれ込むことは
多々あります。その場合には支払備金を計上するので、
損益への影響はニュートラルです。
つまり、保険金の支払いが遅れても、損益に影響はありません。
損害率や収支残には影響しますが、「利益をかさ上げして配当し、
会社に損害を与えた」という悪質な話にはなりえません。
しかも、記事には指示が実行されたとは書いてありません。日経記事は、
「示唆するとも受け止められる発言をしていたことがわかった」です。
両紙はなぜ、このニュースをこの内容で掲載したのでしょうか?
※写真は横浜線の鴨居駅。ららぽーと横浜の最寄り駅です。
2009年06月16日

6月15日号の日経ビジネスに損保業界のレポートが掲載されました。
「瀬戸際損保、生き残りの戦い」というタイトル。
「再編だけではまだ危ない」という副題が付いています。
ビジネス誌にありがちな再編の内幕ものではなく、
東京海上の有力代理店14社による代理店政策への不信や不満、
あるいは、損保主導ではない、代理店自身による再編の動きなど、
保険会社と代理店の関係にかなりの誌面を割いています。
記事には「事業費率を抑えるため、代理店数を半減」とありますが、
減少した代理店の大半は小規模なところなので、
半減しても事業費削減効果は限られています。
事業費率の低下は合併等に伴う人件費、物件費の引き下げ効果
(生保子会社への人員シフトもあり)が中心だと思います。
例によって、最後のほうに私のコメントも載っているので、ご紹介します。
「(政策保有株式について)本当に利益を生むのかという細かい分析は
なかったのでは。株価が大きく下がるたびに巨額の損失を負ったが、
それでも保有し続けてきた」
というものです。
記事によると、日本興亜では経済的付加価値分析(=EVAでしょうか?)
をユニットごとに行うそうなので、大いに期待したいです。
※写真は横浜線の小机駅。日産スタジアムの最寄り駅です。
植村信保(Uemura Nobuyasu)。
保険アナリストとして、主に生命保険会社や損害保険会社の経営分析を行っています。
詳しいプロフィールはこちら