植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2009年03月23日

日経ビジネス「生保危機 再び」

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3/23号の日経ビジネスは生保特集でした(第2特集ですが)。
第1章が「運用難・少子化・過当競争の三重苦」、
第2章が「人口減で生き残る智恵」、
第3章が「財務が生む『不作為の経営』」という構成です。

第1章には「(市場の変化の要因は)少子高齢化と市場の成熟化」
という私のコメントが載っています。
もちろん取材ではこれだけではなく、いろいろな話をしています。

最後の第3章「不作為の経営」はちょっと強引な感じでしたね。
記事では「(危険準備金や価格変動準備金の取り崩しによって)
単年度の業績が覆い隠される経営をどう判断すればいいのか」
と生保の財務構造が不作為の経営につながっていると示唆しています。

しかし、各社の貸借対照表の純資産&各種準備金の動きをみれば、
今回のような局面では経営が厳しいかどうかは一目瞭然。
さすがに経営も深刻さを実感しているはずです。

財務構造と経営の関係を指摘するのであれば、
「各種準備金で補い、単年度の業績が見えにくくなるから問題」
なのではなく、
「新契約獲得能力が落ち込んでいるにもかかわらず、
 保有契約からの利益に隠れ、深刻さが見えにくくなっている」
ことだと思います。


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2009年03月18日

変額年金に関する2つの記事

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3/9(月)の日経に、「変額年金 撤退・縮小広がる」という記事。
運用環境の悪化で変額年金のリスク負担が膨らんだため、
保険会社の撤退や縮小の動きが広がってきたというものです。
投信よりも変額年金が厳しいというトーンです。

他方、3/16号の週刊金融財政事情には、
「10月以降、投信販売額は半減し、年金保険へのシフト進む」
というレポートが掲載されています。
銀行が手数料ビジネスの中心を、投信販売から
年金保険販売にシフトしているという内容です。

二つの記事から言えることは、
・保険会社は最低保証付き運用商品の提供が難しくなっている
・銀行は引き続き手数料ビジネスに力を入れている
・顧客の安全志向が高まっている
などです。

これまでのような顧客のコスト負担が重く、かつ、保険会社の負担も重く、
銀行だけが手数料を稼げるといったビジネスは限界なのでしょう。

ただ、銀行が目先の手数料収入を追うのではなく、
リテール分野に腰を据えて取り組むことになれば、
銀行を通じた保険販売は次のステップに進むのかもしれません。


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2009年03月10日

週刊ダイヤモンドの保険特集

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今週(3/14日号)の週刊ダイヤモンドは保険特集ですね。
全部で50ページもある力作です。

今回は興味深い企画が多かったように思います。

まず、「契約前の約款開示を覆面調査」というのがありました。
今でも約款は簡単に入手できないものなのですね。
「お客は契約書を読まないで契約する」とは本当に変な話です。

次に目を引いたのは、「代理店の手数料を初公開!」です。
キャンペーン期間中のインセンティブやランクごとの手数料率、
保険種類ごとの手数料体系など、興味深いデータが出ています
(L字型の初年度部分だけのようです)。

定期保険の付加保険料比較もあります。
「ライフネット効果」とでも言うべきでしょうか。
ちなみに比較表にはプルデンシャルグループ2社と
アクサ生命が載っていないのですが、どうしてなのでしょうね。


ご参考ですが、保険会社の経営分析のコーナーに
私のコメントが載っています。
朝日生命について、「収益力が低いため内部留保が少ないが、
その割に株式の保有比率が高い」というものです。

数ページ後のトップインタビューでも、
「あまり内部留保を積むことができないまま、今回の金融危機に見舞われた」
と朝日生命の佐藤美樹社長がコメントしています。
「株価の下振れについてはヘッジをした」とのことです。


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