植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2011年11月10日

ア会の年次大会

 

日本アクチュアリー会の年次大会がありました(8&9日)。

プログラムを見ると、「ERM」や「経済価値ベース」に関する
テーマが例年以上に多かったように思います。
ただ、今年は直前に想定外の仕事が入ってしまったため、
実のところほとんど顔を出すことができず、残念でした。

唯一きちんと聞けたのが、最後の時間帯に行われた
「ECを計算すればERMとして充分か?」でして、
これが非常に興味深い講演でした。

講演者の住谷貢さんはアクサ生命のCFOです。
実際にERMを行っている立場からのスピーチということもあり、
説明が具体的、かつ、説得力がありましたね。

話を伺うと、保険会社のリスク管理には保険数理よりも
むしろファイナンスの知識が必要なように思えました。
リスク管理のツールとしてデリバティブの知識は必須とのことです。

「リスク・ポリシー」の話も納得でした。
「取るリスクと取らないリスクを選別」を突き進めると、
結局のところ「コアビジネスは何か」という話になります。
ERMが経営そのものであることがよくわかりますね。


※写真のトンネルは東横線の横浜と反町の間にあったもの。
 右の写真はかつて反町駅があった場所です。
 



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2011年11月06日

保険をめぐる二つの世界

 

昨日(5日)明治大学で、日本保険・年金リスク学会(JARIP)の
研究発表大会がありました。

保険や年金に関する様々な研究発表がありましたが、
最も刺激的だったのは、一橋大学・米山高生教授の
特別講演ではなかったでしょうか。

タイトルとなっている「保険をめぐる二つの世界」とは、
「伝統的な保険論」と「リスクマネジメント&保険」です。

「伝統的な保険論」は供給者の視点に立っており、
収支相等の原則からはじまる保険論です。
予定調和的な世界を前提にしており、
価格は保険数理による決定論的な世界で決まります。

これに対し、「リスクマネジメント&保険」は需要側から
マーケット(=自由競争)を前提に考えるものです。
予定調和ではなく不確実な世界であり、
価格は確率論的な世界で決まります。

そして、
「伝統的な保険論では解決できない問題や苦手とするテーマも
 需要側からマーケットを前提に考えると解決できる」

「今後の保険教育は伝統的な保険論(保険数理を含む)に加え
 リスクマネジメント&保険、金融工学、コーポレートファイナンス
 の4領域が主軸になる」

というのが先生の結論だったようです。

保険数理の専門家がリスクの専門家になれるかどうか。
アクチュアリー会でも話していただいたらいいかもしれませんね。


※写真は第三京浜の高架橋なのですが、格付けに見えてしまいます^^


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