植村信保のブログ

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2011年11月03日

ギリシャ危機と逆イールド

 

ギリシャ政府の国民投票実施表明には驚きました。
国民の痛みを伴う財政再建案を進めるには、
もはやこのようなプロセスしかないと判断したのでしょうか。

財政危機が顕在化すると国債価格が下落し、金利が上がります。
日銀が10月18日に発表した金融システムレポートを見ると、
欧州周縁国における国債利回りの対ドイツ国債スプレッドは
2010年以降大きく広がっているのがわかります(P6の図表)。

もっとも、私の目を引いたのは、隣に掲載されていた
「国債の長短スプレッド」という図表のほうでした。
欧州周縁国の2年国債と10年国債のスプレッドを見たものです。

これによると、ギリシャやアイルランド、ポルトガルなど、
財政健全化を巡って市場が強い懸念を示している国では、
短期金利が長期金利を上回る傾向が続いています。

Bloombergニュースからデータを拾ってみると、
ギリシャ2年債利回りは96.70%、10年債は25.47%、
30年債は17.21%で、確かに逆イールド状態です(2日)。

通常ですと、累積デフォルト確率は時間がたつほど大きくなる、
つまり、「年末までの約束だったら返ってきそうだけど、
10年後だったら返ってこない可能性が高まるよなあ」と考え、
信用スプレッドは長期のほうが大きくなるのが一般的です。

しかし、事態がここまで進むと話は別なのですね。
市場は年限に関わらずギリシャ国債の約7割カットを
すでに織り込んでいる(2日時点)ため、このような利回りに
なっているということなのでしょうか。

ここまで考えると、保有債券を長期債から短期債にシフトしても
金利リスクは小さくなるかもしれませんが、ソブリンリスクへの
対策にはなっていないのかもしれません。
いかがでしょうか?


※神戸で2年ごとに開かれる美術展なので「神戸ビエンナーレ」
 横浜でも3年ぶりに「横浜トリエンナーレ」が開かれているようです。


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| post at 18:35:54 | コメント(5)  | カテゴリー : 06. リスク管理関連 |
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