植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2011年02月26日

住宅ローンの収益性評価

 

三菱総研のHPで住宅ローンの収益・リスク管理に関する
(私にとって)興味深いコラムを見つけました。
コラムのHPへ


住宅ローンの収益性評価は難しく、勝ち負けがはっきりしない、
採算がわかりにくい商品なのだそうです。

コラムでは、検討すべきポイントとして、

 ・期間の長さ
 ・PDの期間構造(=デフォルト率が経過とともに変化する)
 ・LGDにおける地価要因(=回収率は地価動向に依存する)
 ・プリペイメント(=期限前返済により貸出期間が短くなる)
 ・金利の固定変動相互乗換
 ・優遇金利

を挙げています。

資産/負債の違いはありますが、生命保険の負債分析に
通じるところがありますね。

プリペイメントに関しては、期間短縮による金利リスクへの影響のほか、
信用リスクが低い顧客ほどポートフォリオから早く離脱する
(=ポートフォリオの信用リスクが濃縮される)という指摘もありました。

また、金利上昇時の変動金利型ローンは信用リスクが高まるうえ、
プリペイメントも増えるのだそうです。

確かに収益・リスクの評価が簡単ではないことがわかります。


企業向け貸し出しが伸び悩むなかで、
多くの金融機関が住宅ローンに力を入れており、
激しい競争を展開しています。

しかし、チキンレースのようにも見える競争のなかで、
住宅ローンの複雑さを踏まえた収益・リスク管理を行い、
プライシングに反映している金融機関はどの程度あるのでしょうか。
単なる会計ベースの管理ではちょっと心配です。

このあたりも保険会社と共通したテーマですね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は前回に続き、東海道・有松の町並みです。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 19:10:17 | コメント(0)  | カテゴリー : 06. リスク管理関連 |

2011年02月02日

覆面座談会

 

1/31の保険毎日新聞に「保険業界は変わるのか」という、
ERMをテーマとする異色の覆面座談会が掲載されていました。
業界紙でも、このような企画は珍しいのではないでしょうか。

記事の見出しをいくつか引用すると、

「今こそERMの構築を」
「透明性が生き残りの道」
「リスクカルチャーの醸成必要」

など、私が普段口にしているような話が多々出てきますが、
あいにく(?)私はこの座談会メンバーではありません^^
(断っておかないと疑われそうなので...)

いきなり「リスク・アペタイト」という言葉が出てくるし、
読者に言いたいことがうまく伝わるかという心配はあるものの、
面白い試みだと思います。


「日本のアクチュアリーが仮にリスク管理部に配属されても、
 計算技術を期待されるだけに終わってしまうことが多いと
 考えられるが、それではあまりに惜しい」

「本来、リスクは組織のあらゆるところにあり、ある意味で
 組織全員が当事者になり得る。その意識がないところに
 カルチャーは定着しない」

「金融当局が直接、経営者にリスク管理の全体像を問い、
 それに対して自社のリスク・アペタイトがどうなっているか、
 経営者が手元資料を見ずに説明できるような時代が
 待たれているといえる」

といった気になるコメントもありました。

業界紙なのでなかなか入手しづらいかもしれませんが、
機会がありましたらぜひご一読を。


※週末の横浜中華街は満員電車のようでした。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 00:23:26 | コメント(0)  | カテゴリー : 06. リスク管理関連 |
植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ