植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2012年05月06日

保険金支払いの実績

 

保険コンサルタントの後田享さんによる日経電子版の連載
「保険会社が言わないホントの保険の話」をご存じでしょうか。
2011年7月から続いていて、独自の見方が勉強になります
(「プロ」からの反発は強いような気がしますが...)

5/4は「ネット保険の保険金支払いの実績は」でした。
「当選本数が伏せられたまま販売されている宝くじ」
という表現など、なかなか刺激的ですね。
日経のHPへ

分析対象がどうしてネット生保なのかはさておき、
生保各社がディスクロ誌で公表している「死亡率」や「特約発生率」、
さらに「第三分野発生率(発生保険金額÷経過保険料)」のデータを
どうやって使ったらいいかという課題はありそうです。

死亡率は年齢が高くなるにつれて高まるので、
ネット生保のような顧客の平均年齢が若い会社と、
成熟した会社を単純に比べても意味がないでしょう。
さらに、新しい契約が多い会社ほど選択効果が働き、
死亡率が低くなると思います。
職域など顧客基盤によっても差があるかもしれません。

それでも死亡率については、責任準備金の標準死亡率の制約があり、
保有契約がそれなりにあれば、「当選」の多さ・少なさが
それほど問題にはならないように思います
(低解約返戻金商品やリスク細分商品は考慮していません)。

しかし、第三分野には責任準備金の標準率がないこともあり、
公表されている発生率をどう使ったらいいか、頭を抱えてしまいます。
特に他社比較は難しいというのが率直なところです。

「医療(疾病)保険」と言っても、入院と手術では発生率が違うでしょうし、
有期か終身か、解約返戻金の有無なども数値に影響を与えます。
もちろん、保有契約の平均年齢が違えば、発生率も違うでしょう。

「より具体的な数字をもとに、保険活用の妥当性を説いてほしい」
という筆者の主張を実現するには、どうしたらいいのでしょうね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。


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2012年05月03日

働く女性のマネーと老後

 

コクヨグループでオフィス通販のカウネットという会社が
全国の働く女性(=同社が運営するコミュニティの会員)を対象に
「マネーと老後」に関するアンケートの結果を発表しています。
わたしみがきHPへ

有効回答数が357名という小規模な調査ではありますが、
興味深い結果が出ていました。

まず、「毎月、自分のためにいくらくらい貯金をしていますか?」
という問いに対し、「貯金していない」という回答が26.6%もありました。

「自分のための貯金は予定通りできていますか?」
という問いに対しても、「全く貯金ができていない」という回答が
33.9%でした。

「本当は毎月、自分のためにいくらくらい貯金をしたいと思いますか」
では、「貯金したいと思わない」という回答はわずか2.8%なので、
「貯金していない」という人の大半は、「貯金したいけどできない」
ということなのでしょう。

他のアンケート調査でも、
「30代女性(未婚)の5人に1人は貯蓄ゼロ」(オルビス)
「10万円未満が18.3%」(とらばーゆ総研)
といった結果が出ています。


他方、生命保険の加入動向についてのアンケートもあり、
「生命保険に加入していない」という回答は12.3%でした。
「貯金していない」という回答よりもずっと少ないのですね。

加入している生命保険の種類は、医療保険とがん保険で7割、
終身保険が4割、個人年金が24%などとなっていました。
合計が100%を超えるのは、複数の保険に入っている人が
多いためでしょう。
妊娠中でも入れる医療保険

ニッセイ基礎研究所の調査でも、独身女性の生命保険加入率は
20代が46.1%、30代が71.6%、40代が84.6%となっており、
医療保険・入院保険の加入率が最も高くなっていました
(2011年2月レポート「独身女性の生命保険加入実態」より)。

カウネットのアンケートの結果を踏まえると、
貯金をしたくても全くできていないのに、生命保険には加入している
という働く女性が結構いるということになります。
大きなお世話ですが、どうしてそのようなことになっているのでしょうね。
働いているのであれば、健康保険にも加入していると思うのですが...


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は甲州街道・勝沼宿です。
 

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