植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2009年07月19日

芸能人の年金制度廃止

 

出張で大阪にいるからというわけではありませんが、
今回は芸能人の年金制度廃止について。

芸団協が運営してきた年金共済制度がこの6月に廃止になった
というニュースが各紙(朝日、毎日、読売)に載っていました。
「法改正や景気悪化で運営が難しくなったため」(朝日)とのことです。
ここで言う「法改正」とは、無認可共済への規制を入れた保険業法の改正と、
公益性の認定を厳しくした公益法人改革です。

共済事業を運営している公益法人は現在1000近くあるそうですが、
一般法人に移行すると、事業は自動的に無認可共済になります。
ただ、保険会社となるにはハードルが高いため、今回のように
共済制度を廃止するところが大半と見られています。

朝日の記事には、
「掛け金を随時減らせるなど柔軟性の高い商品設計を
 そのまま引き継ぐのは無理、と保険会社に言われた」
とありました。

確かにそのような商品設計は難しそうですが、
互助会的な共済事業にも規制の網をかぶせた以上、
それに代わるような手段を保険会社に提供してもらわなければ
困りますよね。保険会社の商品開発に期待したいものです。

この「芸団協」には95000人の芸能人が所属しているそうですが、
年金制度の加入者は2859人、受給者は2158人とのこと。
所属数と制度利用者のギャップが大きいのがちょっと気になりました。

「全体の56%が年収400万円を下回っている」というデータには
なんとなく妙な納得感がありました。

※写真は大阪・淀屋橋です。


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2009年07月08日

参考純率の引き上げ



損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率引き上げを発表しました。
自動車保険参考純率説明資料

算出機構の資料によると、今後の自動車保険の収支を試算したところ、
対人賠償保険・搭乗者傷害保険を中心に保険成績が悪化したため、
全体で5.7%の赤字になる見込みとなり、同率の引き上げを行ったとのこと。
このうち、最も一般的な自家用乗用車の引き上げは2.4%だそうです。

参考純率の引き上げとともに、年齢や運転者区分の細分化も行っています。
年齢区分では、保険証券に記名された被保険者の年齢別に、
新たに6区分が設定されました(26歳以上補償のみ)。
運転者についても、従来の「家族限定」が、「本人・配偶者限定」「家族限定」
に分かれました。こちらも年齢が関係しているようです。

この結果、若年層と高齢者の参考純率は大幅な引き上げとなりました。
例えば車両保険を付けず、全年齢補償の場合には13.6%の引き上げ
(運転者家族限定、等級20等級)、同じく車両保険を付けず、
記名被保険者が60歳以上では10.9%の引き上げです。

参考純率の引き上げはやむを得ないとしても、年齢区分の細分化については
判断が分かれるところでしょう。
「リスクの高い人は料率も高くすべき」というのは正論なのですが、
リスク細分が進みすぎると弊害もあるように思います。
今回の発表を受けて、各社は年齢区分の細分化をどこまで進めるでしょうか。

なお、かつてとは違い、保険会社は参考純率を使う義務はありません。
実際のところ、各社の損害率にはかなりの差がありますよね。
例えば、統合を計画しているMS海上とあいおい損保の保険料率は
どうなっていくのでしょうね。

※出張で台湾に来ています。


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