植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2018年01月21日

日経プラス10に出演

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先週(19日の夜)、BSジャパンの報道番組「日経プラス10」にゲスト出演しました。

この番組は、「BSジャパンが日本経済新聞社や日経BP社など日経グループ各社及びテレビ東京と総力を挙げて作る本格的な報道番組(番組概要より)」ということで、小谷真生子キャスターの投げかけに対し、日経新聞の編集委員やゲストスピーカーが解説するというスタイルでした。

私が出演したのは、「人生100年時代 長寿化で保険料はどうなる?」というトークコーナーで、4月からの標準生命表の改定とその影響について解説しました。

標準生命表についてはこちら(昨年8月のブログ)でも書きましたが、当日も、

・あくまで責任準備金の基礎率だが、各社の保険料に影響がある
・影響の表れかたが商品の種類により異なる
・4月からの新契約が対象で、既契約の保険料には影響しない

といったことを、いかにわかりやすく説明するかに腐心しました。
いかがでしたでしょうか。

死亡率と保険料の話をさんざん説明したあとで、「高齢化が進むと死亡する人が増えるので、生命保険会社の経営は厳しくなるのでは?」という質問が出て、ズッコケた人が多かったかもしれません。

実のところ、あれは事前の打合せにはなかった質問でして、「だったら責任準備金なんて必要ないでしょ、何を聞いていたんですか」という話ではあるのですが、案外そのように考えている視聴者も多いのかもしれないので、そう考えると、いい質問だったのでしょうね。

鈴木編集委員がそう考えてあえて質問したのかどうかは未確認ですが、確かに、生保関連の書籍などでも、保険料収入と保険金等支払の差額がマイナスだと危ないとか、損益計算書で責任準備金の戻入が続く会社は不安だとか、生保の仕組みを理解していない記述をたまに見かけますので。

いずれにしても、おそらく今後続々と発表されるであろう、各社の商品戦略に注目したいです。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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2018年01月14日

投信販売の本質

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2017年末の公募投信の純資産残高が過去最高を更新したそうです。株高による時価上昇や日銀によるETF買い入れのほか、海外株式に投資するタイプの投信への資金流入も顕著だったとか。


「フィデュ―シャリ―・デューティーとは言うものの、投信販売の本質的な部分が変わるわけではない。当行では、20代の行員が高齢のお客さまのところに足しげく通い、かわいがってもらいながら『お願いセールス』で買っていただくというスタイルが定着している(後略)」
「『フィデュ―シャリ―・デューティー宣言』を出してからは、表向きの販売姿勢は変わっているが、根底にある人とのつながりで買っていただくという実態は変わらない」

「確かに、本質的な部分は変わっていないのかもしれないね。かたちのうえでは丁寧に商品説明をして、お客さまもご納得いただいたうえでサインをしていただくが、行員もお客さまもお互い複雑な商品設計を理解できるわけがない」
「わからないうえで、『手数料は高いかもしれないが・・・』『ハイリターンを狙えるなら・・・』という、稼ぎたい両者の思いが合致して売買が成立している」
「当局からは顧客本位で販売するよう言われるが、お客さまだって手数料が高かろうが『儲かればそれでよし』という気持なのだから、一概に売手だけを責めるのは筋違いではないか」

週刊金融財政事情(2018.1.15)の人気コラム「支店長室のウラオモテ」から引用させていただきました。
このコラムは銀行支店長の覆面対談(本当に対談しているかどうかは不明)なのですが、現場の声を代弁したものとして、出しているのでしょう。

一概に売り手だけを責めるのは筋違い、というのは同感するところがあります。金融リテラシー向上など顧客の主体的な行動を可能とする環境づくりや、顧客にアドバイス等を行う担い手の多様化への取り組み(いずれも金融審議会が求めています)はどうなったのかと思います。

しかし、行員も顧客も理解できない商品を人間関係で売るのが投信販売の本質と言われてしまうと、やはり私には抵抗がありますね。
もちろん、金融商品といえども、顧客が価格面だけで選ぶとはかぎりません。例えば顧客が住宅ローンを選ぶ際、貸出金利の低いA銀行ではなく、金利は少しだけ高いけど、いつも相談に乗ってくれる担当者のいるB銀行の住宅ローンを選ぶ、というのはよくあることでしょう。

ですが、顧客が金融商品に何を求めているかを踏まえると、行員が理解できない金融商品を親密な顧客に提供するというのは、もしかしたら、それが投信販売の実態なのかもしれませんが、本来やってはいけないことでしょう
(もちろん、行員がどのレベルまで理解すべきかという議論があるとは思います)。

裏を返すと、理解できない商品だからこそ、本部が勧める商品を何の疑問も持たずに提供できるという面があるのかもしれません。ウソを隠し通すのは結構大変なことですが、もともと知らなければ隠す必要もありませんので。

そうだとすると、当局が金融リテラシー向上のターゲットとすべきなのは消費者ではなく、まずは販売担当者なのかもしれませんね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※左と右は同じ建物です。東海道新幹線の大倉山トンネル近くにあります。
 建物からは下の写真のような景色が見えます。

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2018年01月10日

セミナー講師を務めます

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セミナー講師のご案内です。
来月2月7日(水)の午後に金融ファクシミリ新聞社セミナーの講師を務めることになりました(東京です)。

演題は「経済価値ベースの保険ERMの本質を探る~ソフト面の取り組みを中心に~」。拙著『経済価値ベースの保険ERMの本質』を参考にしながら、近年の保険会社によるリスクテイク動向を踏まえつつ、ソフト面を中心にERMおよび経済価値ベースの管理の考え方を解説します。

有料セミナーですが、ご関心のあるかたはぜひお越しください。
金融ファクシミリ新聞セミナーのサイトへ

それにしても、ファクシミリとは何だか懐かしい響きですね。
確かにかつての職場で金融ファクシミリ新聞を購読していて、1日に何回かFAXでニュースが届けられていました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※今年は京都のお雑煮も食べることができました(写真左)

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2018年01月06日

生保の商品戦略はどうなる

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新年おめでとうございます。
正月は連日いろいろな家族行事があるので、この3連休はありがたいです^^

年末のニッセイ基礎研究所レポートや保険業界紙の特集で、2017年の生保新商品を取り上げていました。
健康増進を促す保険やトンチン性を高めた個人年金保険、就業不能保険など、新商品としては2016年かもしれませんが、これらが「一発芸」ではなく、それぞれ他社が追随する動きとなったという点で、2017年の特徴としてとらえることができそうです。

ただ、全体としては、「異常な低金利が正常化するまで何とか耐える」という経営姿勢に基づく商品提供だったという感があります。

大手生保の場合、メインチャネルの主力商品は金利変動の影響を受けにくい有期の保障性商品ですが、過去のデータを見ると、シニア層などのニーズを背景に、貯蓄性の強い商品もそこそこ提供していました。
これが2016年からの金利低下を受けて、円建ての一時払商品は概ね販売休止となり、平準払いの商品は、プライシングこそ将来の金利上昇を期待した設定ではないものの、顧客にとっても保険会社にとっても魅力がないものとなっています。

昨年4月のニッセイ基礎研のレポートを見ても、「一部商品について保険料率の改定を回避」「標準利率より予定利率を少しでも高めに設定し、新規契約の保険料引き上げを回避しようとする傾向が強くなっている」とあり、競争上の判断とはいえ、金利水準の正常化を待つスタンスもうかがえます。

しかし、日銀が2%の物価上昇を目指す新たな金融緩和政策を始めてから、もうすぐ5年になります。マイナス金利政策の実施からも約2年が経ちました。
今がデフレかどうかはともかく、少なくとも2%の物価上昇(その際には超長期金利の水準も上がっているはず)からは程遠い状況です。

そのようななかで、今の金利水準を異常ととらえるのは、もはや根拠の乏しい期待でしかありません。金利上昇はストレスシナリオくらいに考え、現状の超低金利水準が続くという前提で商品戦略をたてる必要があるのでしょうね。

2018年4月の標準生命表改定を受けて、そろそろ各社の新たな商品戦略が見えてくるかと思います。果たして引き続き「待ち」の姿勢なのか、あるいは、ニューノーマルを踏まえた商品戦略を打ち出す会社が出てくるのでしょうか。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は別所温泉駅と、かつて走っていた丸窓電車です。

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