植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2017年08月12日

生保の4-6月期決算から

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生保の4-6月期決算が概ね出そろいました。
今回のinswatchでは大手4社と損保系生保の
業績動向をレポートしましたが、こちらでは
別の視点をご紹介しましょう。

標準利率引き下げに伴う料率見直しもあり、
保険料収入がどこまで落ち込むか注目して
いたのですが、国内系生保に関して言えば、
意外に減らなかったという印象です。

国内系生保9社の保険料収入の推移は
以下のとおりでした。

 <2015年度>
  4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期
  4.5兆円  4.6兆円  4.2兆円  5.0兆円

 <2016年度>
  4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-3月期
  4.1兆円  4.0兆円  4.0兆円  3.8兆円

 <2017年度>
  4-6月期
  3.6兆円

つまり、2016年度の収入の落ち込みに比べ、
減収はそれほどでもなかったとも言えます
(それなりに減ってはいますが...)。

おそらく、銀行チャネルの一時払終身保険の
販売がすでに収束していたため、4-6月期の
生保マネーは前期比ではあまり減らなかった
のでしょう
(ちなみに平準払の個人年金は激減した模様)。

その生保マネーがどこに行ったかといえば、
引き続き外貨建資産に向かったとみられます。
ヘッジ状況を公表している会社にかぎれば、
前期末に比べ、為替リスクをやや高めている
模様です。

他方、金利リスクや非金利の資産運用リスク
に関しては、大規模な変化はないにしても、
会社により考え方が多少は異なるようでして、
よく見ると興味深い結果となっています。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※左の写真は佐世保の防空壕を活用した商店街。
 右は佐世保バーガーです。

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2017年08月06日

「国際都市」平戸へ

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かねてから訪れたいと思っていた平戸に
ようやく足を運ぶことができました(7/30)。

平戸は16世紀から17世紀の約100年間、
国際貿易港として栄えた歴史を持っています。
特にオランダ商館が置かれた1609年からは
「西の都」と呼ばれるほどの賑わいだったとか。

しかし、島原の乱(1637~38年)を経験した
江戸幕府は鎖国政策を強めます。
1641年に平戸のオランダ商館が閉鎖され
(長崎の出島に移転)、平戸は国際港としての
役割を終えました。


猛暑のなか、当時の痕跡を探して歩いてみると、
復元されたオランダ商館近くに、当時造られた
塀が残っていました。

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また、一休みした休憩所でいただいた地元銘菓
「カスドース」はカステラを加工した南蛮菓子で、
ポルトガルから伝わったものだとか。

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他にも、オランダの石造技術を用いた石橋や、
海中から引き揚げられたオランダ船の錨(いかり)、
日本伝来の井戸とは形の違う「六角井戸」など、
あちこちに当時の痕跡を見つけました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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2017年08月03日

九州でスピーチ

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先週の土曜日(7/29)のことになりますが、
福岡大学で開催された日本保険学会の
九州部会で発表する機会がありました。

テーマは「近年の日本の保険行政における
健全性規制の動向とその考察」ということで、
2000年前後に発生した生損保の経営破綻を
結果として防げなかった日本の保険行政が、
その後、健全性規制の見直しをどのように
進めてきたのか(進めようとしているのか)を、
私なりに整理して伝えました。

学会発表なので質疑の時間が30分もあって
(ちなみに発表そのものは1時間でした)、
会場の皆さんから多くの質問やコメントを
いただきました。

予想通りとはいえ、行政当局によるERM活用
に関しては、

・「自己規律の活用」とは矛盾した概念では?
・行政が「自己規律」を活用する背景は何か
・国際的な規制を受け入れたのか

といったやり取りになりました。

私からは、「過去の経験もあって、健全性を
確保するには資本要件だけを定めても不十分
と今の行政は考えている」といった説明をして
いるのですが、「保険会社にルールを守らせる」
「違反を取り締まる」といった従来型の行政とは
一線を画した手法に対しては、もしかしたら
心理的な抵抗が強いのかもしれません。

なお、行政による一連の保険ERMの活用は、

「ベスト・プラクティスの追求に向けた対話」
「持続的な健全性を確保するための動的な監督」
「形式・過去・部分から実質・未来・全体へ」

という、今の金融庁が進めようとする方向性を
ある意味先取りした取り組みとして見ることも
できそうです
(当日はそのような話もしました)。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。


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