植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2017年06月29日

クロ現+に出演しました

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NHKの番組「クローズアップ現代プラス」に
ゲスト出演しました(28日)。

生放送だったのですが、NHKのサイトを見ると、
もう放送された内容が文字になっています。
NHKのサイトへ

25分の番組で、そのうちVTRが3回入るので
キャスターとゲストのトークはほんのわずか。
それでも、先ほど改めて録画を見たところ、
結構中身が濃い番組だったように思います
(自分のトークはともかく)。

「保険アナリスト」として登場するのですから、
保険値上げの背景、保険会社を取り巻く状況
も話したかったのですが、時間の制約もあり、
消費者目線の話を優先することになりました。
まあ、かえってよかったのかもしれません。

いい意味で予想外だったのは、キャスターを
交えた当日の打合せが長かったことです。
流れをざっと確認するくらいかと思っていたら、
質問1つ1つについて何を伝えていくべきか
丁寧に検討したのですね。

そうかといって、決められた台本に沿って
話すことを求めらたわけではありません。
ただ、ゲストを含め、皆で番組を作っていく、
そんな感じでした。

「公的年金」と言うべきところを「個人年金」と
言ってしまったり、冷汗もかきましたが(苦笑)、
貴重な経験になりました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※番組終了後の記念撮影です。

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2017年06月25日

JARDISの研究大会

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この週末は日本ディスクロージャー研究学会の
大会に参加してきました。
学会のサイトへ

統一論題「ディスクロージャーのコストとベネフィット」
では、進んだディスクロージャーを実施している企業
(オムロン)の事例を伺うとともに、お二人の研究者が
現状を踏まえつつ、今後の研究のあり方を模索する
といった内容でした。

ディスクロージャーのコストというと、つい規制対応の
費用などを頭に浮かべてしまいますが、会場では
情報開示によって競争上の不利益が生じるコストに
ついての発表がありました。なるほど。

また、ESG(環境、社会、ガバナンス)についても、
ESGの取り組みと経済効果(資本コストの低下や
株価上昇など)の相関関係を示す研究は増えて
いるものの、ESGがどのようなメカニズムで持続的
成長や価値に結びつくのかを検討する必要がある
という発表があり、思わずうなずいてしまいました。

パネルディスカッションでは、研究者からの質問が
オムロンのIRオフィサーである安藤聡さんに集中。
安藤さんは大変だったと思いますが、的外れの
質問はなく、これなら実務家と研究者の連携も
進むのではないかと、ちょっぴり期待が持てました。

それにしても、できるだけ異業種に目を向けようと
心掛けているつもりですが、どうしても保険ムラの
思考回路になりがちなので、このような機会は
頭の刺激になりますね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※会場は仙台の東北大学でした。


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2017年06月18日

富士フイルムの調査報告書

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富士フイルムホールディングスのグループ会社
(子会社の富士ゼロックスの海外販売子会社)で
発覚した不正会計問題に関する第三者委員会の
報告書をざっと読んでみました。
富士フイルムホールディングスのサイトへ

報道されているような、売上達成のプレッシャー
(「もう一丁(1兆)やるぞ!!」という表現など)は
確かに重要な問題点なのかもしれませんが、
私は改めてグループ統治の難しさを感じました。

報告書では、富士ゼロックスによる海外子会社
管理の失敗と、子会社化した富士ゼロックスの
持株会社による管理失敗という、2つの意味で
グループ統治の失敗が示されています。

富士ゼロックスは1962年に富士写真フイルムと
英国ゼロックスの合弁会社としてスタートし、
その後、2001年に富士フイルムが出資比率を
75%に引き上げ、子会社化しました。

それから15年以上たっても、富士ゼロックスの
独立性は強く、例えば、グループの承認規程が
富士ゼロックスには適用されていなかったり、
持株会社が富士ゼロックスの重要な情報を
取得するのが困難だったりと、富士フイルム
グループのガバナンスには相当な問題が
あったことが報告書で示されています。

次のような記述も見られます。

・富士ゼロックスからの人事提案がそのまま
 受け入れられるような実態

・持株会社の監査部の役割は富士フイルムの
 監査が中心で、富士ゼロックスの監査は
 富士ゼロックスの監査部に任せていた

・スタッフレベルにおいて、技術部門以外の
 人事交流はほとんど見られない


他方、報告書には富士ゼロックスについても、

「(不正会計の舞台となった海外子会社を)
 買収してから既に25年以上が経過しているので
 あるから、現地ビジネスへの悪影響を抑えつつ
 富士ゼロックスによる子会社管理を実効あらし
 めるような、何らかの施策が実施されていても
 良い時期に来ていたとはいえるであろう」

と、富士ゼロックスによる海外販売子会社の
管理体制や事業体制の不備も本件における
大きな原因の一つと指摘しています。


海外保険会社の買収により、急速に事業や
地域の多角化を進めつつある保険業界にも、
本件は大変参考になりそうです。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は横浜・みなとみらい地区です。
 雨が降り出す直前でした。

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2017年06月11日

地銀の新規制

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このところ金融庁関連のニュースが目立ちます。
例えば、こんな記事がありました。

銀行で“素人同然”の証券運用が大量発覚、
 金融庁調査で」(6/5のダイヤモンド・オンライン)

金融庁、地銀の金利リスクで新規制 19年3月期に導入へ
 =関係筋」(6/8のロイターほか)

「金融庁『強権』を封印 銀行検査、抜本見直し」
「中小企業の5割、政府系金融機関と取引
 金融庁調査」 (いずれも6/8の日経)

金融庁関連のニュースが目立つのは、実のところ
季節要因が大きいと思います。

金融庁の事務年度は7月から6月末までなので、
今月が年度末にあたります。
しかも、通常国会が終わると人事異動があり、
職員の約半分(!)が異動してしまいます。

ですので、今いろいろとニュースが出てくるのは、
(幹部の)異動前に仕事の区切りをつけていて、
その一部が何らかのルートでメディアに伝わって
いるのでしょう。


ところで、上記でロイターの記事を紹介しましたが、
日経は1面トップで「地銀の債券保有 新規制」を
報じました(有料版。5面にも解説記事あり)。

この記事を読むと、金融庁が地銀の債券保有を
制限する規制を導入し、融資への資金シフトを
促すとあります。
ただ、この規制はバーゼル規制に基づいた話だと
思われるのですが、そうだとすると、規制の本来の
目的は全く違います。

金融危機後のバーゼル規制見直しの一環として、
銀行勘定の金利リスクを従来より厳しく見ることで
2016年に国際合意がなされていまして、本件は
これを国内規制化する話です。

バーゼル規制については、かつて保険課長だった
白川さんのこのレジュメ(PDF)が参考になります。

こちらをご覧いただくと、金利リスクは資産として
保有する債券だけが対象ではなく、「銀行勘定の
資産や負債」なので、債券も貸出も金利リスクを
抱える資産としては同じ位置づけです。

「銀行勘定の金利リスクとは、金利水準の変動により、
 銀行勘定の資産や負債の経済価値あるいは収益が
 変動することにより生じるリスク」(6ページ)

ということで、保険業界の皆さんにはおなじみ(?)の
「経済価値」に基づいた規制ですね。

もちろん、地銀の有価証券保有に伴う金利リスクを
注視する必要はあると思いますし、他方で金融庁は
地域における金融機関の役割を厳しく問う姿勢を
見せているのは確かなのですが・・・


具体的な規制案が公表されていない現時点では
コメントしにくいものの、金利リスク規制の捉え方が
私の理解とはあまりに異なりますし、もしかしたら

「超長期債を多く保有する生保はリスクが大きい」
「保険会社にも債券保有を制限する規制が必要だ」

なんて声がすぐに出てこないとも限りませんので、
あえて取り上げることにしました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※手づくり和菓子作り教室に参加しました!


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| post at 18:02:34 | コメント(0)  | カテゴリー : 07. 規制・会計基準 |

2017年06月03日

保険自由化20年

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日本保険学会の関東部会がミニ・シンポジウム
「保険自由化20年」を開催しました。
当日のレジュメはこちらでご覧になれます。
関東部会のサイトへ

確か「自由化後10年」という企画もあったはず、
と『保険学雑誌』のバックナンバーを調べると、
2008年10月の大会で「自由化後10年の検証」
というシンポジウムが開かれていました。

司会が東大(当時)の山下先生、シンポジストが
慶大の堀田先生、一橋大(当時)の米山先生、
弁護士の上柳先生という豪華メンバーでしたが、
実は私も登壇していたことが判明。
恥ずかしながらミニ・シンポジウムの席では
すっかり失念していました。
保険学雑誌第604号

当時はリーマンショック後の金融危機の最中で、
同じ10月にAIGが日本の生保事業からの撤退を
発表したり、大和生命が経営破綻したりと、
連日対応に追われていたのでしょう(言い訳)。


自由化10年では、経済・商学系の研究者と
実務法律家、アナリストという顔ぶれでしたが、
今回の「20年」は3名とも保険業界の方々でした。

内容は当日のレジュメをご覧いただくとして、
明治安田生命の上原さんが自由化後の20年を
前半と後半に分けていたのが興味深かったです。
前半の10年は規制見直しが進んだものの、
後半の10年はグループ規制を除き、規制緩和は
あまり進展がなかったことを示していただきました。

あえてコメントすれば、2006年でビシッと切らず、
前半の規制見直しフェーズと、後半の見直しによる
影響フェーズを多少オーバーラップして捉えるのが
妥当なようにも思えますし、もし、20年間を通じて
規制緩和が進まなかった事項があるとしたら、
合わせて示していただけるとありがたいでしょうね。


今回のミニ・シンポジウムを業界人から学界への
情報提供ととらえると、そもそも自由化の目的は
何であり、それが20年でどの程度達成できたのか、
あるいは、副作用や意図せざる状況を招いたのか、
といった視点のお話しも伺いたかったです
(そのような質問はありました)。

あと、自由化による競争促進とは、保険会社が
以前よりリスクテイクできる状況になることなので、
監督当局としては、財務・業務の健全性確保と
セーフティネット(広義)の整備が必須となります。

業務の健全性と各種のセーフティネットの整備は
それなりに進む一方、財務の健全性については
どうでしょうか。

せっかく2007年にソルベンシー規制の見直しを
当時の検討チームが提言したにもかかわらず、
10年たっても未だに見直しが道半ばなのですが、
そのような視点があってもよかったように思います
(ERMに関する言及は栗山さんからありましたね)。

とはいえ、いろいろ考えるきっかけををいただいた
という意味で、大変有益なシンポジウムでした。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※大倉山公園の近くにある大乗寺の境内には
 なぜか相鉄線の電車が飾ってあります。

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