植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2016年08月28日

銀行窓販の販売手数料(2)

 

8月22日から26日にかけて、大手銀行が相次いで
生命保険の代理店手数料の開示を公表しました。

<各社のニュースリリース>
みずほフィナンシャルグループ
三井住友銀行
三菱UFJフィナンシャル・グループ
りそなホールディングス
三井住友信託銀行
新生銀行


各社の公表文を確認すると、手数料開示とともに、
受領方法の変更についても例外なく触れています。

すなわち、一時払い保険料の代理店手数料を
契約時に一括して受けとっていた従来の方法を見直し、
契約時のコンサルティング等の対価(=販売手数料)と
契約後のアフターフォロー等の対価(=継続手数料)に
分けて受け取るというものです。

継続手数料にどの程度の重点が置かれるのか、
手数料総額が変わるのか、変わらないのか、
そして、これらの取り組みが保険販売にどう影響するか、
などが今後の注目点でしょう。


手数料開示についても、ほぼ横並びの書きぶりです。

「資産運用分野における顧客本位の取組」「2016年10月」
「保険会社の同意が前提」「特定保険契約が対象」
という内容になっています。

ただし、三井住友信託は、「特定保険契約商品をはじめ
とする保険会社各社の同意を得られた商品」だそうです。


横並びの記述が目立つ中で、三井住友銀行だけは
日経報道の通り、営業拠点の評価基準の見直しに
言及しています。

実際の手数料水準にかかわらず、商品区分ごとに定めた
一律の料率で評価するとのことで、投資信託に続き、
保険でも今年度からそのような運営としたそうです。


大手銀行による自主的な開示は、おそらく主な地銀にも
広がるのではないかと思います。

保険会社としては、全体としての手数料水準の高騰を
抑える効果が期待できる一方、手数料テーブルが
最も高いところに張りついてしまう気もしますね。

さらに、これが他のチャネルにも及ぶのか、あるいは、
特定保険契約以外の貯蓄性商品にも広がるのかは、
金融審議会WGでの議論次第なのでしょう。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は築地の場外市場です。鳥藤の弁当を買いました。

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2016年08月20日

鉄分の濃さを感じるとき

 

前回のブログ(マイナス金利政策の副作用)は
いつもよりアクセスが多かったようです。
果たして9月の日銀「総括的な検証」はどうなるか。


さて、今回は一転して夏休みモードですみません。
鉄分といっても栄養素ではなく、鉄道のほうです。

時々ブログに鉄道関連の写真を載せるので、
私が電車好きであることがうかがえると思います。

とはいえ、本物の鉄道ファン(?)に比べると、
知識も行動力もまだまだだと思います^^


それでも、自分で「鉄分の濃さを感じるとき」が
時々あります。

1.電車の走行音に反応してしまう

最近の新しいビルだと、すぐ隣りを電車が走っても
ほとんど何も聞こえず楽しくないのですが、
少し古い建物だと、電車の走行音が聞こえますよね。

電車の音が聞こえると、ついそちらを見てしまい、
周りの人に怪訝な顔をされてしまいます
(ちなみに音だけではなく、姿が見えても反応します)。

身近なところで思いつくスポットは、淡路町にある
某協会(損保ですね)のビルでしょうか。

先日もセミナーの講師を務めるため伺いましたが、
隣りに中央線や総武線がゴトゴトと頻繁に走る、
楽しいところです。

もちろん、電車が通るたびにスピーチが途切れたりは
しませんでしたので、ご安心ください。


2.窓側の席に座りたがる

通勤電車のベンチシートではなく、新幹線のような
座席配置の場合、私は好んで窓側の席を選びます。
窓からの景色をボーっと眺めるのが好きなのです。

数週間前に京急線の快速特急に乗る機会があり、
関東では珍しい、新幹線のような座席配置の電車でした。
これなら三浦半島からの長距離通勤も苦になりません。

ごくたまに困ったことが起こります。

日本の新幹線には、座席ごとに窓がありますよね。
ところが、古いタイプの特急や海外の新幹線などでは、
2列の座席で窓一つという配置も結構多いのです。

普通の人にとって、鉄道は単なる移動手段なので、
皆さん、かなりの確率でブラインドを下げようとします。

景色を眺めていたい私には、前(または後ろ)の人が
いつブラインドを下げようとするか、ドキドキものなのです。

前後の人がブラインドを下げようとしたら、どうするのか?
...ご想像にお任せいたします。


3.車内を見渡す

最近まで自覚していなかったのですが、あるとき指摘され、
気が付いた習慣です。

私は電車に乗ると、無意識に車内をチェックしているようで、
いつも乗る東横線の車両と、座席の特徴や窓の大きさ、
網棚の形、製造年や製造した場所、あるいは広告の傾向
などの違いを見つけては、喜んでいるように思います。

同じ4つ扉の通勤電車でも、よく見ると結構違うものです。

例えば、東京メトロの古い車両(東横線でも走っています)
の窓は、私の目線よりも低く、かつ、小さくて嫌いなのですが、
当時は地下鉄の窓は小さくていいという考えだったのかも
しれません。

珍しい車両に乗るとうれしくなります。
所要のため相鉄線に乗ったら、「パワーウィンドウ」「鏡」
のある電車が健在で、思わずニンマリしました
...これは鉄分がかなり濃いコメントかもしれませんね。


自覚しているだけで、これだけ思い当たるのですから、
無自覚な行動はもっとあるのでしょうね。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は函館の市電です。

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2016年08月13日

マイナス金利政策の副作用

 

けさ(13日)の日経1面「マイナス金利、3000億円減益」
という記事をご覧になったでしょうか。

あくまで報道ベースですが、マイナス金利政策により
3メガバンクの損益が3000億円の悪影響を受けるという
調査結果を金融庁がまとめたということです。

この記事の最後にさらっと次の記述がありました。

「長期運用で影響が表れにくい保険会社も、マイナス金利に
 入った長期国債などの変動影響を時価で評価したところ、
 1年間で自己資本比率が半分に減った社もあった」

ここでいう「自己資本比率」の分母・分子の定義は
記事ではわかりませんが、減益(でも黒字)どころか、
「自己資本比率が半分に減った」ですからすごい話です。

記事の「保険会社」は、普通に考えれば生保でしょうね。

ちなみに、最近発表された2016年4-6月期の生保決算
を確認しても、マイナス金利の副作用を示すような結果は
見当たりません。

ただ、いくつかの上場生保の投資家向け資料には、
この調査結果を裏付けるようなデータが載っています。

例えば、第一生命のEV(エンベディッド・バリュー)は
マイナス金利政策の影響のない2015/3の約6.0兆円から、
直近の2016/6には3.7兆円に減っています
(いずれも超長期金利の補外に終局金利を用いた方法)。

T&Dグループは四半期ごとにEVとともに、ESR
(経済価値ベースのソルベンシー比率)を公表しています。
分母のリスク量に対し、分子の時価資本がどの程度あるかを
示した指標です。

これを見ると、T&DグループのESRは、2015/12月末の210%から、
直近の2016/6末には130%に下がったことがわかります
(終局金利を採用した場合には162%)。

ソニー生命のESRも、2015/12末には173%だったものが、
2016/6末は95%(終局金利採用ベース)となりました。

上場していない生保は手掛かりをあまり出していません。
とはいえ、国内系生保の商品戦略や資産運用・ALM戦略に
大きな違いは見られないため、上場生保で起きていることは、
非上場生保でも同じように発生しているとみるのが妥当でしょう。

したがって、「時価評価で見た自己資本比率が半減」というのは、
半減かどうかはともかく、一部の例外的な話ではなく、
業界全体で健全性が圧迫されていると考えるべきでしょう。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします

※写真は函館・倉庫街近くで見つけた和洋折衷住宅。
 1階が和風、2階が洋風という函館特有の建物です。

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2016年08月07日

函館五稜郭

 

夏休みに函館に行き、夜景や町歩きを楽しみました。

横浜と同様に、開港により大きく発展した函館ですが、
北洋漁業や造船業が厳しくなった1980年代あたりから
衰退がはじまり、近年では人口流出が著しいようです。


写真は五稜郭と、その中にある旧函館(箱館)奉行所です。

城好きではなくても、この不思議な形をした城郭を
ご存じのかたは多いと思います。

五稜郭は開港した箱館の要として置かれた箱館奉行所を
取り囲む城郭(土塁)として1864年に完成しました。
日本で初めての西洋式城郭です。

どうして幕末にこのような形の城ができたかというと、
設計を担当した蘭学者の武田斐三郎が、フランス軍艦から
伝わったヨーロッパ式の築城術を参考にしたためだそうです。

武田斐三郎は佐久間象山の西洋兵学塾で砲術や築城術を
学んだ人物ですから、従来の日本式の築城ではだめだと
考えたのかもしれません。


五稜郭には、大砲や小銃による銃撃戦を想定した工夫が
随所にみられます。

先端部を鋭角にすることで死角をなくし、侵入した敵には
十字砲火を浴びせることができました。

城郭の内部には大砲の標的になる高い建物を置かず、
大砲の衝撃を吸収できるように、石垣(土塁)は低く、
厚みがあります。

立地面でも工夫がみられます。
当時の大砲の射程距離を意識し、港から3km離れた内陸に
建てられました。近くを流れる亀田川の水も活用できます。


このような五稜郭ですが、その後戊辰戦争(箱館戦争)の
舞台となり、落城してしまいます。

新政府軍の軍艦の大砲は最新型だったので、
内陸に作った五稜郭にも砲弾が届いてしまいました。

しかも、「大砲の標的になりそうな高い建物を置かない」
と書きましたが、右の写真のように、箱舘奉行所の上部に
太鼓楼があり、これが艦砲射撃の標的となったようです。

最新型の城だったのか、時代遅れだったのか。
そんなことを考えつつタワーから城を眺めました。


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