植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2015年05月31日

生保の業績推移

 

生保の2014年度決算が公表されました(28日など)。

相変わらずの「保険料等収入は売上高に相当」
には抵抗があるのですが、特に今回は日本生命と
第一生命(連結ベース)の逆転があったので、
報道では保険料収入に関するものが目立ちました。

そこで保険料収入をはじめ、大手4社の業績を示す
いくつかの指標を10年前と比べてみました。

まず、主力の個人保険分野の保険料収入を見ると、
10年前(2005年3月期)を100とした場合、直近時点
(2015年3月期)は127となりました。

これは、10年前には4社合計で5000億円程度だった
銀行を通じた貯蓄性商品(大半は一時払)の販売が、
ここ数年は3兆円規模まで拡大しているためです。
銀行窓販を除くと、保険料収入は微減となります。

他方、個人分野の保有契約高は激減しています。
10年前を100とすると、直近時点は62です。
死亡保障市場の縮小には歯止めがかかっていません。

最後に個人分野の保有契約年換算保険料を見ると、
102という水準です。
死亡保障市場の縮小を銀行窓販による貯蓄性商品と
第三分野で補う構図が読み取れます。

第三分野シフトが進んだとはいえ、大手4社の場合、
年換算保険料の2割にとどまっています。
10年前とそれほど変わっていないのは意外でした。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。


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2015年05月27日

金融機関のガバナンス改革

 

保険募集規制改革の政府令・監督指針に関する
パブリックコメントの結果が公表されましたね。

「72の個人及び団体より延べ649件のコメント」だそうで、
コメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方を
取りまとめた「別紙1」はなんと245ページもあります。
担当のかたはさぞ大変だったことでしょう。


パブコメの結果は後でゆっくり読むことにして、
保険会社のガバナンスに関する資料を見つけたので
ご紹介します。日銀のサイトへ

4月に開かれた金融高度化センター主催のセミナーでは、
主に銀行のガバナンスをテーマにしたいくつかの講演や
パネルディスカッションが行われたようです。

最近になって「パネルディスカッションの模様」が公表され、
金融庁の遠藤検査局長のコメントが載っていました。

そこでは取締役会に関する分析結果が紹介されていて、
保険会社に関しては、

「1年前は、正直なところ、取締役会は『厳粛な会議の場』
 ということで、あまり活発な議論が行われていない社も
 ありました。フォローアップを続けてきましたが、最近では、
 取締役会の運営はドラスティックに変わったという印象を
 受けています」

なのだそうです。

「3メガバンク、大手生損保、そして、いくつかの地域銀行と
 ガバナンス態勢に関する議論を行いました。具体的には、
 取締役会、監査役会、内部監査、外部監査に関する現状と
 課題について議論をさせていただき、比較分析を行いました」

とあるので、ここでの「保険会社」とは大手生損保なのでしょう。

おそらく昨年に続き6月頃に公表されるであろうレポートで、
ガバナンスに関する分析結果が示されるのではないでしょうか。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は人気の武蔵小杉です。

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2015年05月24日

損保決算など

 

3メガ損保の2014年度決算が発表されました。
ざっと眺めた段階ですが、2点ほどご紹介しましょう。

主力の自動車保険は収支改善となりました。
ただ、おやっと思ったのは収入面です。

3メガ損保(主要4社)とも増収ではあるものの、
単価上昇が主因で、契約台数は伸び悩みが顕著です。
東京海上は前期比1.4%増(ノンフリート)ですが、
あとの会社は横ばいから微減といったところ。

2014年度は自動車保険の収支改善のほか、
久しぶりに大きな自然災害がなかったので
(2011、2012、2013と自然災害が続きました)、
国内損保事業が完全復活したかに見えます。

でも、自動車保険の台数が増えないとなると、
あまり安心はできません。


株高、円安の恩恵を大きく受けたのが、ある意味
今回の損保決算の特徴と言えるでしょう。

各社は来期の会計利益を1600~2400億円と
見込んでいるのですが、保有する有価証券は
2014年度にその数倍も増えているのですから。

損保の会社価値にとって、最も大きな要素は
保有する株式の時価動向という構図は
あまり変わっていないようです
(=すなわちリスクが大きいということ)。

そこで、政策保有株式の売却について見ると、
2014年度は3メガ損保で動きがやや異なりました。

東京海上は簿価ベースで300億円程度の売却を
2014年度も続けた模様です。
SOMPOは前年度ほどではないものの、売却を継続。
他方、MA&ADは数字を見るかぎり、売却は足踏みです。

コーポレートガバナンス・コードも策定されたことですし、
損保の政策保有株式に対するスタンスがどうなるか。
今後の動向に注目したいと思います。


ところで、最後に少しだけ宣伝です。

2014年度の生損保決算発表やIR説明会が一巡した
6月9日に外部セミナーの講師を務めることになりました。

「保険会社ERM経営の現状と今後の方向性」という題で、
日本版ORSAをはじめ、保険ERM経営に関する話をします。
合わせて決算絡みの話もするつもりです。

ご関心のあるかたは、ぜひお越し下さい。
セミナーインフォのサイトへ


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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2015年05月17日

金融学会の春季大会に参加

 

この週末は日本金融学会の春季大会に参加し、
大塚忠義先生(早大)の報告の討論者を務めました。
生保の健全性規制のあり方をテーマにしたもので、
私にとっても規制を考えるいい機会になりました。
日本金融学会のサイトへ

同じ時間に「中央銀行パネル」があり、原田泰さんや
河野龍太郎さん、早川英男さんが登場するとあって、
会場が変更になるほどの人気だったようです。

特別講演では金融庁の細溝清史長官が登場。
「最近の金融行政について」という演題で、
金融庁の主な取り組みの紹介がありました。

近年の国際的な金融規制改革(主に銀行)について、
細溝長官はかつての日本の銀行危機の経験から、
「英米独はもっと冷静になってほしい」
と強調していたのが私には印象的でした
(講演レジュメが学会サイトに公表される予定とのことです)。

その日本の銀行ですが、メガバンクの決算が出そろいました。
3メガともに銀行単体(あるいは銀行+信託銀行)では
国内業務粗利益のうち、資金利益が減少しています。

国際事業のウエートが高いMUFGの場合、
業務粗利益の内外逆転も近いのではないでしょうか。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は会場の東京経済大学です。

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2015年05月10日

「保険ERM戦略」

 

先日の「保険ERM経営の理論と実践」に続き、
保険ERMに関する書籍がまもなく刊行されます
(私も執筆者の一人です)。

今月下旬の発売ですが、手元に見本が届いたので
一足先にご紹介しますね
アマゾンで予約ができるようです)。

本書は、「様々な立場からERMに携わる気鋭の論客
による執筆」(終章)とあるように、保険会社のERMに
関わっている実務家が執筆陣となっています。

編者は保険学者の米山高生先生と、酒井重人さん
(現在は資産運用会社の在日代表)です。


読者としてのコメントですが、特に生命保険会社の
ERMに関する記述が充実しているように感じました。

例えば、第4章の「生保の主要リスクとERM」は
第一生命のリスクマネジャーである畑中秀夫さんが
大手生保のERM経営の実例を紹介しています。

また、「バンカシュランスの商品開発とERM」では、
明治安田生命に在籍する島村浩太郎さんが、
変額年金を中心にバンカシュランス商品の
ERM的なリスク管理について述べています。

メンバーがそれぞれの担当箇所を執筆するという
スタイルなので、統一感がないところもありますが、
随所に保険ERMに関する知見がちりばめられていて、
参考になりそうです。




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2015年05月07日

ベトナム人は写真好き

 

ハノイではクラシックなホテルに泊まったのですが、
ウエディングドレス姿のカップルが次々にやってきて、
記念写真を撮っていました。

ホテルで聞くと、ベトナムでは事前に写真を撮り、
結婚パーティーで披露するのが普通なんだとか。

休日だったためか、絵になるスポットの前では
結婚写真を撮るカップルを何組も見かけました。

二人のポーズもすごくて、新郎が片膝を立てて
新婦にブーケを渡す、なんてのは可愛いほう。
こちらが恥ずかしくなるようなポーズもしばしばでした。

結婚写真に限らず、ベトナム人は写真を撮る
(≒自分が写る)のが大好きなようです。

 

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2015年05月06日

ハノイの旅

 

連休中にベトナムの首都ハノイを訪れました。
羽田便(ANA)ができて、行きやすくなりました。

5年前のベトナム旅行でも思いましたが、
町を歩くと、子供や若い人が多いように感じます。
それもそのはず、ベトナムの人口ピラミッドは
日本と全く違います。

米国CIAのThe World Factbookによると、
ベトナムでは0-24歳が人口の42%を占めており、
65歳以上の人は6%にすぎません
(日本は0-24歳が23%、65歳以上が26%)。

過去の日本と比べると、1975年頃に近いでしょうか。
日本の1975年といえば、戦後30年たったところ。
確かに子どもは多かったですね。
私は当時プレハブ校舎を体験しています。

今年はサイゴン陥落40周年ではありますが、
ドイモイという経済開放政策が始まったのが
1986年なので、そこから約30年と考えると、
日本の1970年代に近いのかもしれません。


ハノイを歩いていて、いやでも目に付くのがバイク。
3人乗り、4人乗りは当たり前という感じです
(5人乗りも目撃しました)。

交通インフラがあまり整備されていないうえ、
自動車が政策的に非常に高価ということもあり、
ベトナムではバイクは必需品です。

ホンダ製のバイクに人気があるためか、
ベトナムではバイクのことを「ホンダ」と呼ぶとか。
「今度のホンダはスズキにした」なんていう
よくわからない会話も聞かれるそうです。

バイクといえども、現地の所得レベルからすると
決して安くはないはずなのですが、バイクとスマホは
何とかやりくりしているようです。


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