植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2013年09月29日

千曲川ワインバレー

 

学生時代の友人に誘われて、長野県東御(とうみ)市で
ワイン用ブドウの収穫体験をしてきました。

彼の友人は5年前に「ぼんじゅーる農園」を開園し、
将来はワイナリーを作りたいと頑張っているかたでした。
今年の初収穫のお手伝いをさせていただいたというわけです。

帰ってからネットで調べてみると、
「千曲川ワインバレー」構想にたどりつきました。
エッセイストの玉村豊男さんが同名の本を出していたので
さっそく購入して読んでみました。

荒廃していた農地でワインぶどうを育て、ワイナリーで
良質な日本のワインを作り、世界に向けて販売する。
実際にやってみると難しい問題もいろいろあるようですが、
新しい農業の姿と言えそうです。

東御市には玉村さんのところを含めてワイナリーが3つあり、
「ぼんじゅーる農園」のように将来ワイナリーを目指す人も
増えているとか。
ナガノワインHPへ

観光客もやってきます。玉村さんのワイナリーには
カフェとショップがあって、なかなかの賑わいでした。
山やブドウ畑の美しい景色を見ながらのランチは最高です
(もちろん美味しいワインを飲みながら♪)。

昨年、山梨県の勝沼を訪れ、日本ワインの歴史に触れ、
ブログに「殖産興業はこれからかも」と書きました。
まさに新たな時代を感じた収穫体験でした。
ブログ「勝沼とワイン」へ

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。




ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 12:28:49 | コメント(0)  | カテゴリー : 16. その他 |

2013年09月21日

「10大事件」

 

金融リスク管理の第一人者である藤井健司さんの近著
「金融リスク管理を変えた10大事件」を読みました。

「金融リスク管理の歴史はさまざまな経験と教訓に対する
 不断の改善努力の賜物」(「はじめに」より引用)

ということで、本書では金融リスク管理に対して
大きな影響を与えた10の「事件」ごとに章が割かれ、
それぞれの事件の経緯と金融リスク管理に与えた影響
について述べられています。

さらに、実務家として10大事件すべてを経験している
藤井さんの「目撃者のコラム」が各章にあります。
本書のエッセンスはここに書かれているように思いました。

例えば、最もページ数の多い第9章
「リーマンショックと金融危機からバーゼルⅢへ【2008年~】」
の「目撃者のコラム」では、

「これからのリスクマネジャーには、規制対応を行いながらも
 あるべきリスク管理の実務を推し進めるという、
 これまで以上に厳しい自己規律をもった姿勢が必要」

と結ばれていて、現状の厳しさを感じます。


本書は金融業(特に銀行)のリスク管理に影響を与えた
10大事件を取り上げていますが、保険会社だったら
どんな事件が選ばれるでしょうか。

保険リスクに関しては、現在のように自然災害リスクモデルが
普及するきっかけとなったハリケーンが、1992年のアンドリュー
なのだそうです。もちろん、2005年のハリケーン・カトリーナ、
そして2011年の東日本大震災やタイの洪水も無視できません。

生保の金利リスクやALMの重要性を示す出来事としては、
日本の中堅生保の連続破綻(1997~2001年)が象徴的です。

また、NY同時多発テロ(2001年)や2008年の金融危機は
金融リスク管理とは多少違った切り口になりそうです。

EUソルベンシーⅡや国際会計基準(保険会計)の検討も
ありますね。ただし、どちらも検討期間が非常に長いので
(かつ、現在進行形です)、取り上げ方が難しいかもしれません^^


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※写真は会津若松です。



ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 21:07:38 | コメント(0)  | カテゴリー : 14. 書評 |

2013年09月16日

金融庁のERMヒアリング

 

4日に公表された今年のERMヒアリングの結果について。

今回は当事者ではないので不明な点も多々ありますが、
「各保険会社における態勢整備に向けた取り組みの参考に
 供すること等を目的として、ヒアリングの結果を公表する」
とあるので、少しだけコメントしてみましょう。
金融庁のHPへ

前回のERMヒアリング結果では、主に以下の項目について
「態勢の高度化を図っていく必要がある」とのことでした。

 ・リスク管理部門の担当役員の専門性
 ・内部監査部門の役割
 ・リスクプロファイルの把握と活用
 ・リスク選好の考え方や枠組み
 ・海外保険事業の管理体制の構築
 ・内部モデル見直しにおける妥当性等の検証態勢

今回のヒアリング結果を見ると、前回課題とした「リスク選好」
「内部モデルの妥当性」などに加え、「ERMの活用状況」に
全体の3ページ弱を割いていて、目を引きました。

実際にERMが活用される場面として、次の3つを取り上げています。

 「リスク調整後収益指標の活用」
 「商品開発および商品別収益管理」
 「中期経営計画」

これには次のような考えが前提となっているようです。

・収益性評価にあたって、リスク調整後の指標を利用することは有益。
・社内で収益や業績指標として使用するためには、リスクに対する
 考え方が社内で共有され、ERMが社内で浸透している必要がある。

・商品開発においても、リスクとリターンの関係を考慮することが重要

・将来にわたる事業の継続性評価や経営におけるERMの活用を
 実現するためには、ERMを経営戦略および(中期)経営計画の
 策定に取り込むことが有益

確かにその通りだとは思いつつ、日本の現状を踏まえると、
かなり目線が高いように感じました
(対象が大手だけではないことを踏まえると、特にそう感じます)。


保険会社に対する金融庁の目線の高さは、6日公表の
「金融モニタリング基本方針」でもうかがえます。

こちらは大手生損保等が対象の記述ですが、検証項目のなかに、
「リスクアペタイトフレームワークの経営計画における活用状況」
とあります。すでにフレームワークの構築が前提なのですね。

ところが、銀行(SIFIs及びその他の主要行等)では、
「リスクアペタイトフレームワークの構築状況等」
とあり、保険会社のほうがはるかに踏み込んだ表現です。


IAISがICPとして「ソルベンシー目的のERM」を採択したのが2011年。
金融庁が保険検査マニュアルを全面改定し、検査官がERMを
本格的に確認するようになったのも、ここ数年のことです
(ERMヒアリングも2011年からですね)。

それに、ERMは経営そのものなので、行政当局といえども
外部からそう簡単に把握できるものではありません。
私はアナリストとして何度もそんな経験をしてきました。

目線の高さを否定するつもりはありませんし、背伸びも大切です。
ただ、リスク管理の高度化を促すはずなのに、行政当局だけが
先に行ってしまい、振り返ったら誰もいなかったというのでは
ちょっと困りますよね。


何だかやや辛口なコメントとなってしまいましたが、
今回の結果概要が日本の保険会社におけるERMの現状をうかがう
貴重な材料なのは間違いありません。私もいろいろと勉強になりました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※桂川があふれるなんて、びっくりです。
 被害を受けた皆さまにお見舞い申し上げます。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 22:07:09 | コメント(1)  | カテゴリー : 06. リスク管理関連 |

2013年09月14日

産経新聞のコメント

 

8月に起きた福知山市の花火大会での爆発事故
(露店が爆発し、多数の死傷者が出ました)
の関係で取材を受け、コメントが掲載されました。
産経新聞のHPへ

念のためコメント部分だけ引用します。

 「損保業界に詳しい保険アナリストの植村信保さんは
  『大規模なイベントなどでは、万が一の事態に備えるため
  積極的に保険を活用するべきだ』と指摘。保険会社に対しても
  『リスクの見積もりが難しいかもしれないが、こうしたケースでこそ
  力を発揮することが求められている』としている」

本件に関しては、直接の加害者である露天商や同業組合に
賠償金を支払う資力がなく、イベントの主催者である実行委員会が
どこまで責任を負うべきかによって補償額も変わってくるとみられ、
決着まで時間がかかるかもしれません。

また、自然災害リスクとは違い、こうした賠償責任のリスクには
確立されたモデルがないとのことで、損害保険会社が引き受けに
慎重となるのも十分理解できます。

それでも、保険が実力を最も発揮する局面は、個人や企業では
備えることのできない低頻度・高損害のリスクだと思うのですね。

ですから、このようなコメントを出させていただきました。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※普通の地方鉄道だと思っていたら、路面電車になってびっくり。
 京福電鉄(嵐電)です。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:44:30 | コメント(0)  | カテゴリー : 11. コメント裏話など |

2013年09月08日

金融モニタリング基本方針

 

4日に「ERMヒアリングの実施とその結果概要について」、
6日に「平成25年度 金融モニタリング基本方針」と、
金融庁HPが盛り上がっています。

今回は「金融モニタリング基本方針」についての印象を。
金融庁HPへ

もともと金融庁のモニタリングはオンサイト(=立入検査)と
オフサイト(=監督による情報収集)から成っていて、
「オン・オフ一体」「両局の協働」がうたわれてきました。
ですから、今回もその延長線上にあると見ることができます。

ただ、今回の金融モニタリング基本方針をみると、
担当検査官と専門チームが実施する「水平的レビュー」
(大手生損保も対象です)では、確認票に基づく指摘を行わず、
検査結果を踏まえた監督局による報告徴求も実施しないとか。

「模擬金融庁検査」を実施した某銀行には気の毒^^ですが、
従来の立入検査とはかなりテイストが異なりますね。
検査局がオフサイト・モニタリングを手がけるように読めます。

他方、同じ日に「平成25年度 監督方針」も公表されていて、
こちらは前年度から大きく変わっていません。

保険会社等向け監督方針をみると、重点分野の1つには
今事務年度も「リスク管理の高度化の促進」とあり、

「高度化促進に当たっては、保険会社によるリスク管理態勢
 に関する自己評価やERMヒアリング等の実施により(後略)」

とのこと。金融モニタリング基本方針の「水平的レビュー」の
検証項目にも「統合的リスク管理及び資産運用」とあるので、
両者の関係がどうなっているのか気になるところです。

横断的な分析は有益ですが、広く浅くで終わってしまったら、
これまでよりも問題把握が遅れてしまうこともありえます。
個別テーマについてどこまで深掘りできるかどうか
(さらに言えば、個別テーマをどう設定するか、でしょうね)。

今回の新たな試みに注目しましょう。


※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

※京都は町のあちこちに歴史の痕跡が残っていますね(写真)


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:48:07 | コメント(0)  | カテゴリー : 07. 規制・会計基準 |

2013年09月01日

セミナー講師を務めます

 

久しぶりにセミナーの告知です。

9/12(木)の午後、金融ファクシミリ新聞社のセミナーで
講師を務めます。
金融ファクシミリ新聞社HPへ

今回の演題は「保険会社ERMの構築状況と留意点」で、
「最近の保険規制・格付動向を踏まえて」という副題付きです。

講演項目として、最近の保険規制・格付動向のほか、

・保険検査マニュアル「統合的リスク管理態勢」をどう見るか
・保険会社ERMの構築状況
 (金融庁「ERMヒアリング」や各種サーベイより)

などを盛り込みました。

最後にさりげなく(?)「各種サーベイより」とあり、
これを見てピンと来たかたも多いと思います。
ややフライング気味ですが、現在集計・分析中の
某ERMサーベイの一部をご紹介できればと考えているところです。

また、私の予想では、金融庁から今週あたりに今事務年度の
監督方針や検査の年度方針(今回は後者に注目でしょうか?)
が公表されるでしょうし、ERMヒアリングの結果公表も秒読みの様子。
これらについても可能な範囲で解説したいと思います。

3時間ものセミナーは久しぶりですが、いつもの講演と違い、
参加者との距離が近いので、私も楽しみにしています。

ご関心のあるかた(&ご予算のあるかた^^)は、どうぞご参加下さい。


※写真は前回の金閣寺・龍安寺に続き、
 天龍寺の庭園と竹林の道です。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 22:33:26 | コメント(0)  | カテゴリー : 15. 執筆・講演等のご案内 |
植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ