植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2010年01月31日

大都市圏への人口流入鈍る



2009年の総務省人口移動報告によると、
大都市圏への人口集中にブレーキがかかりました。

総務省統計局HPへ

新聞では名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)が転入超過から
転出超過になったことを大きく取り上げています。
愛知県では2008年12月~09年2月、7~12月が転出超過となりました。

東京都でも2008年秋から転入超過数の減少が強まり、
2009年後半は転出超過傾向となっているようです。
リーマンショック後の景気低迷の影響を反映しているのでしょう。

ただ、全体的な移動者数が減っているとはいえ、
東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への人口集中
というトレンドに変化が起きたと言えるかどうか。

2009年に3大都市圏以外で転入超過だったのは
茨城県(実質的に東京圏?)、滋賀県、福岡県、沖縄県だけで、
地方圏での人口流出傾向は変わっていないようです。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 16:38:11 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2010年01月28日

「不良債権と金融危機」

またまた本の紹介です。今回は私が関わっているものです。

null

内閣府・経済社会総合研究所が企画した研究会
(私たちは「バブル・デフレ研」と呼んでいました)
の成果を書籍にまとめたものが、年末に出版されました。

慶応大学出版会HPからそのまま引用すると、

「バブルの発生から崩壊、その後のデフレとその克服への対応。
 1980年代からの四半世紀日本経済の経済動向と経済政策を、
 様々な視点から点検・評価する。わが国を代表する研究者、
 官民エコノミストの総力を結集し貴重な反省・教訓を後世に伝える
 画期的研究シリーズ全7巻」

ということで、

本書「不良債権と金融危機」はその第4巻となります。

私は第6章「生命保険会社の経営悪化」を執筆しました。

この本だけでも13人が執筆し、488ページのボリュームです。
全部で7巻あり、それぞれに名だたる学者やエコノミストなどが
バブル・デフレ期の日本経済についての論文を寄せています。

しかも、各々の論文を単にまとめただけではなく、
分科会ごとに発表&議論の機会があり、それを反映させています
(当たり前かもしれませんが、念のため)。

それにしてもこの出版不況の折に、よく本になったなあと思います。
このあたりの事情は全くわかりません。
でも、研究の成果が本になるのとならないのとでは
やはり違いますよね。

多くのかたに読んでもらうといった性格の本ではありませんが
(アマゾンで買っても5040円です)、バブル・デフレ期の金融について
研究者等の視点から論じた貴重な書籍となっていますので、
機会がありましたらぜひご覧下さい。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:20:42 | コメント(0)  | カテゴリー : 15. 執筆・講演等のご案内 |

2010年01月26日

がん保険 いる?いらない?

null null

26日の朝日新聞「がん新時代」に医療保険の記事がありました。
「十分な貯蓄あれば不要」「年齢・加入期間で赤字も」という見出し。
著名FPの内藤眞弓さん、藤川太さんのコメント付きでした。

保険が得意とするリスクヘッジは、
「滅多に起きないけど、起きたら経済的に大変」
というリスクです。
自動車保険の対人賠償や火災保険、死亡保険などがそれにあたります。

これに対し、病気のように、
「それほど珍しくはなく、経済的にはそこそこの負担」
というリスクに対しては微妙なところです。
どのように備えるかは個人の好みが大きいように思います
(貯蓄が基本だとは思います)。

ただ、がんの場合、治る病気になっってきたとはいえ、
闘病生活には直接的な医療コストのほかにも
何かと費用がかさむようです(個人的な経験から)。

しかも、週刊東洋経済2010年1月23日号によると、
他の病気では死ななくなり、高齢化が進んだ結果
最後にがんで亡くなるケースが拡大しているとのこと。

入院リスクをカバーするだけなら貯蓄で十分と思えますが、
一時金を手厚くしたがん保険にはちょっと心が動きますね。


※写真は横浜の定番スポット
 「港の見える丘公園」「外人墓地」です。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:27:17 | コメント(0)  | カテゴリー : 04. 保険商品、チャネル |

2010年01月24日

生命保険のカラクリ

前回に続き、保険関連書籍のコメント。
「生命保険のカラクリ」は昨年10月に出た話題の本です。
ようやく読むことができました。

null

著者はライフネット生命保険の岩瀬大輔副社長です。
そう思って読んでも、自社の宣伝色はほとんどなく、
第三者の視点で生保業界や商品について書いてあります。

「一般人による一般人のための『生命保険入門』」とのことですが、
出口治明さんの「生命保険入門」(新版はまだ読めていません m(_ _)m )
とはまたテイストの違う本で、楽しく読めました。

世界の生保市場の収益力比較(日本が突出して高い)や
生命表の分析(「高い死亡率の設定で守られすぎ」)など、
きちんとデータの裏付けがあり、納得できる記述になっています。
岩瀬さんはコンサルティング会社出身ですものね。

価格に関する記述も多く見られます。

「(生命保険は)適正な価格がわかりにくい」
「売り手と買い手との大きな情報格差を活用して販売しようとする、
 業界の体質が変わっていない」
「商品の比較情報に対していまだに強い心理的抵抗がある」

などの指摘は、まさに私も同感です。

一般の人にはもしかしたら難しいところもあるかもしれませんが、
日本の生保業界を知るには大変参考になりそうです。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 11:35:00 | コメント(0)  | カテゴリー : 14. 書評 |

2010年01月21日

坂本嘉輝さんの著書

アクチュアリーの坂本嘉輝さん(アカラックス代表)が
「生命保険『入って得する人、損する人』」という本を出版しました。
一般の人に向けた新書ということもあり、大変わかりやすく、
一気に読むことができました。



保険数理に通じている坂本さんならではの解説も多く
(しかも、そのあたりを感じさせないところがすごいです)、
生命保険に関心のある一般のかたの参考になる本です。

いろいろ気になるフレーズが出てきます。例えば、

「生命保険に入らなければならない」というのは迷信
「生命保険は助け合い」ではありません

などという業界人とは思えない(?)ものもありますし
(私はその通りだと思いますが...)、

「医療保険というのは(中略)気軽に入りますが、保険金をもらうときの
 手続きが面倒くさいということには、あまり気がつきません」

といった、現場を知る坂本さんならではの記述もあります。

ライフネット生命の出口治明社長と保険代理店KENさんとの
「保険料が安い」がテーマの論争(?)も面白いです。
私は私で意見を持っているのですが、ここで参戦すると
大変なことになりそうなので(笑)、別の機会にとさせていただきます。


cf. 「保険会社は儲けすぎてはいない」の理由として
  売上総利益率や営業利益率を事業会社と比べるのは、
  「売上高 イコール 収入保険料」のところが
  ちょっと無理があるかもしれませんね。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 22:30:16 | コメント(4)  | カテゴリー : 14. 書評 |

2010年01月19日

JALが更生法申請

null

日本航空がついに会社更生法の適用を申請しました。
今後は企業再生支援機構をスポンサーとして再建を図ります。

支援機構の試算によると、2010/3末で8676億円の債務超過(見込み)。
金融機関の債権削減と支援機構による出資で債務超過を解消し、
路線整理や人員削減などのリストラを進め、再建を目指すとのことです。
株式は100%減資。貸付金は最大83%削減です(社債は不明)。

世界的に見れば、大手航空会社の破綻は珍しくありません。
米国では91年のパンアメリカン、02年のユナイテッド、
05年にはデルタとノースウェストなど多くの事例があります。
欧州でもスイス航空(02年)やサベナ・ベルギー航空(02年)、
アリタリア航空(08年)などの例が挙げられます。

JALの場合、破綻の直接の要因は近年の燃料価格高騰と
国際競争の激化、そして金融危機後の景気低迷なのでしょう。

しかし、国際線の競争は激しいとはいえ、国内線は実質2社独占です。
国内航空需要は緩やかながら増加傾向が続いてきました
(国際線も増加トレンドですが変動が激しいです)。
しかも、ビジネス需要では日系キャリア志向は非常に強いものがあります。
それでもJALは経営危機に陥ってしまいました。

おそらく経営や政府など様々な問題があったのでしょう。
政府が全面的に関わるわけですから、再建を果たすとともに、
なぜこのような事態を招いたのか、きちんと検証してほしいです。


※写真はコピペではなく、自分で撮ったものです。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 23:16:16 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2010年01月17日

大震災から15年

null null

きょう17日は阪神・淡路大震災の発生から15年ということで、
兵庫県などが主催する追悼式をはじめ、様々な追悼行事が行われています。

当時の私は鉄道会社を担当していました(保険担当ではなかったのです)。
さすがに震災直後の現地入りはかないませんでしたが、
4月上旬に阪神地区を訪れ、インタビューに加え、実地調査を行いました。
確かJRが復旧したばかりのタイミングだったように思います。

震災から2カ月弱たっていたとはいえ、多くの建物は崩れたまま、
道路はがたがたで歩きにくく、空気はほこりだらけでした。
しかし、三宮から電車で15分くらいの大阪は全く普通の状態で、
あまりのコントラストに衝撃を受けた記憶があります。

当時の調査メモをみると、次のようなことが書いてありました。

「(ある銀行の)取引先の社長で亡くなった人はいない。金持ちは強かった。
 金持ちでなく、会社のサポートもなく、古い家に住む弱い立場の人が
 一番ダメージを受け、現在でも困難が続いている感じ」

「テレビでは『避難所リーダーがんばる』といったものが目立つが、
 実際にはリーダーになれるような人は会社に出勤してしまい、
 女性は軽視されることが多く、リーダー不在が目立つ」


地震予測の技術が進んだとはいえ、いつどこで同じような被害が
発生しても不思議ではありません。
まずは家族で万一のときにはどうするか、話をしようと思います。


※横浜の山下公園です。この公園は関東大震災の復興事業として
 がれきを埋め立てて作られたそうです。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 17:39:40 | コメント(2)  | カテゴリー : 16. その他 |

2010年01月15日

大手金融機関への特別課金

null

米政府が大手金融機関約50社に対し、10年間で900億ドルの
「金融危機責任手数料」を徴収するそうです。
金融システム安定のために使った公的資金の損失を
穴埋めするのが目的とのこと。

最近の米国の報道を見ていると、金融機関や、金融機関を救済した
FRBに対する風当たりが非常に強まっているようです。

例えばAIGを通じた「裏口救済」に関連し、当時NY連銀総裁だった
ガイトナー財務長官が電子メールや通話記録等の提出を
下院委員会から求められたりしています。
今回の特別課金はこうした動きに対応したものなのでしょう。

ただ、ボーナスに課税するのとは違い、課金すなわち増税の場合、
利用者に転嫁されるだけのようにも思います。

それより気になるのは、米国の金融機関が本当に復活したのか
ということです。
日本の経験を踏まえれば、不動産バブル崩壊の影響から
米国経済がそう短期間で立ち直れるとは思えないのですが。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 01:46:39 | コメント(0)  | カテゴリー : 05. 金融・経済全般 |

2010年01月12日

欧米への本格進出

null null

本日(12日)の日経新聞5面、明治安田生命・松尾憲治社長が
インタビュー記事のなかで、次のように語っています。

「即効性を考えれば巨大市場の欧米だ。本格的に進出することを検討し、
 一部は10年度中にメドをつけたい」

確かに日本の大手保険会社の場合、日本の事業が大きいので、
少しくらい海外に出ても、ほとんど補完になりません。

海外展開を本格化し、事業の柱にするというのであれば、
欧米市場への進出は不可欠でしょう。
損保では東京海上がそのように動いていますね。

やや引っかかるのが、相互会社という点です。
もちろん、相互会社もM&Aによる海外展開は可能です。
ただ、社員(=契約者)は会社が海外事業でリスクをとることを
望むのでしょうか。株式会社であれば理解できるのですが。


※横浜シリーズ。今回は赤レンガ倉庫です。
 スケートリンクがありました。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 22:48:57 | コメント(0)  | カテゴリー : 01. 保険経営全般 |

2010年01月10日

自転車は左側通行

null null

寒さに負けず、週末サイクリング(ポタリング?)に出かけています。
今日は大倉山の自宅から旧綱島街道などを通って横浜へ。
目的地は関内ホール(娘がバレエ発表会のリハをしていたので)でしたが、
途中のみなとみらい地区はたくさんの人でにぎわっていました。
往復だいたい30キロほどのちょっとしたトレーニングです。

空前の自転車ブームのおかげで認知度が高まったのはいいのですが、
相変わらず車道の右側を走る自転車が多いですね。
車がそこそこ通る道で正面から自転車が来ると、本当に怖いです。

そのまま何とかやりすごせばいいのでしょうけど、
私は時々、心を鬼にして、「左側通行ですよ!」と叫んだり、
手で→に移るようにサインを送ったりするようにしています。

でも、素直に応じてくれる人は少ないですね(特に大人は)。
「うるせー」とか言われることもしばしば。
女の人も「うるせー」とか言うんですよ。

日本では自転車が交通システムのなかに、
まだまだ中途半端な形でしか組み込まれていない状況です。
だいいち自転車が安心して走れる道が少ないですし、
車からも歩行者からも邪魔者扱いされているように感じます。

それでも、日本でもようやく交通機関としての自転車に
スポットを当てる動きが出始めました。
自転車は排ガスを出さないし、場所もそれほどとりません。
駐車場1台分でいったい何台自転車を停めることができるでしょう。

別にすべての人が自転車に乗らなくてもいいのですが、
もう少し自転車の役割を見直そうという動きになっているのは確かです。
そのような流れに水を差さないためにも、せめて逆走というルール違反だけは
やめてもらいたいものです。


※写真は大桟橋です。左が飛鳥Ⅱ、右がふじ丸。
 船にももちろん交通ルールがあるそうですね。


ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。
| post at 18:13:36 | コメント(2)  | カテゴリー : 16. その他 |
植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ